#9マイク・オールドフィールド

Tubular Bells
■Tubular Bells / Mike Oldfield
僕がこれにはまったのは高校1年だったかな。きっかけはよく覚えてない。プログレの有名バンドよりもカンタベリー系のバンドの方が面白く感じた(と言う程気軽に音を聞けなかったけど)僕に、すんなりとこの音は入ってきた。当時は映画「エクソシスト」で使われたことばかりクローズアップされていたと記憶する。オールドフィールドの仙人じみた風貌と何百回にわたるダビングを重ねたというスタジオ職人ぶりが妙に一致した記憶あり。「エクソシスト」の話は、オールドフィールド本人が忌み嫌っていたと伝えられたが、「幻想的」というキーワードに夢中だった十代の少年には、プラスに働いた(当時ファンタジーは子供向きとされていた。ゲームによって市民権を得た現代とは隔世の感がある)事は確か。片面1曲の長尺の組曲で、ヘンリー・カウのリンジー・クーパー(string bass)、ジェイド・ウォリアーのジョン・フィールド(fl)、エドガー・ブロートン・バンドのスティーヴ・ブロートン(ds)といったアンダーグラウンドな人たちが参加した事も、ひょっとして難解かも?という先入観を高めるが、もちろんそんな事はない。ダークなイメージはあるが、英国のパストラルな風景をイメージさせる壮大な叙事詩。どちらかというとこういう音楽には批判的な僕だけど、やはり多感な頃に聞いたこともあって、初期の3枚に関しては文句なし。
その後、数々のヴァージョンが生まれ、彼にとってのライフワークとなっている。

数年前にWOWOWでもOAされた貴重なスタジオライヴ。囲んで自分のパートを待つあたりは宗教的な儀式の様だ。ゴングからピエール・ムーレン(perc)、スティーヴ・ヒレッジ(g)、ストーンズのミック・テイラー(g)も参加。