fool#3

Swallow Tails
■Love's Made A Fool Of You / Cochise
バディー・ホリー作、ボビー・フラー・フォーがヒットさせた('66)、乾いた、痛快なロックンロールが英国産カントリー・ロックのコチーズがやるとどことなくカラッとしていない感じ。これは英国と米国のアイデンティティーの違いだろう。アメリカの風景に憧れてルーツロック、カントリー・ロック、スワンプ・ロックを試みる「イギリスのアメリカ」な連中の音が、どれもこう、土の香りがする湿った味わいなのはおもしろい。
コチーズもメンバー・チェンジが多いバンドだけど、基本的には英国を代表するsteel-g奏者のB・J・コールと元プラスティック・ペニーのミック・グラバム(g)、リック・ウィルス(b)のバンド。デビューは70年の「Cochise」で、この曲は71年のセカンド「Swallow's Tale」(Liberty)から。voはスチュワート・ブラウン、dsはウィリー・ウィルソン(のちにクィーヴァー、スタッド)。全編にわたって聞けるカントリー・ロック・サウンドは確かに、カラッとしておらず、steel-gの入ったサイケ風な味わいもある。
人脈的にクィーヴァーにつながる、イギリスのアメリカの核となるバンドなので、この2枚目をフラッシュのセールで見つけた時はうれしかったけど、正直言うと大したことない。