gone#3


■Long Gone Charlie / Kathy Dalton
キャッシー・ダルトンは、68年にリオン・ラッセルのprodでLPを1枚出したドーターズ・オブ・アルビオン(Daughters Of Albion)のキャッシー・イエッセ(Yesse)と同一人物で、そのDOAの相方だったグレッグ・デンプシーのprodで73年に完成させたのがこの初ソロ「Amazing」。50'sのSFというかパルプ・マガジン風挿絵のジャケットがいかにもキッチュな魅力だが、注目すべきはバックをつけているのが、リトル・フィートであること。ローウェル・ジョージ(g,syn)、ポール・バレール(g)、ビル・ペイン(kb)、サム・クレイトン(perc)、ケニー・グラドニー(b)、リッチー・ヘイワード(ds)のメンバーで傑作「Dixie Chicken」を出したころのラインナップ。ただ熱演というわけではなく、お仕事としてこなしてる程度(大半が3分台前半の曲という短さもある)。他にはスニーキー・ピート(steel)、ヴァン・ダイク・パークス、クライディー・キング、ジミー・ギルストラップ(cho)などが参加。いわゆるルーツ・ロック的な1枚として期待して大枚を払うとずっこけるのでご注意。
冒頭の"Long Gone Charlie"は、短いながらなかなかのジャンプナンバーで、ホンキー・トンクなペインのpianoとゴスペル風コーラスが活躍。フィートならでは粘っこい演奏とは無縁の3分5秒。カントリー・ロック的な"I Need You Tonight"が一番の出来かな。
あと鈴木茂っぽい(!)ローウェルのgとルイ・ジーン・ノーマンのスキャットが印象的な"Cannibal Forest"もいい。
フランク・ザッパのDiscreetからのリリースで、74年にシングル曲"Boogie Bands And One Night Stands"がヒット(#72)したためこのタイトルでジャケットを変えてreissueされた。