Miku Sings Yutaka


マイミクであり、mixi以前の音楽掲示板時代の知り合いである、エーハブ船長さんから届いた、自作と初音ミクとのコラボレート作品「Miku Sings Yutaka」を聞いている。船長さんは僕のネット友達としては古いほうで、船長のサイトのリンクをたどっていろんな人たちと知り合いになった事を思うと、僕にとって音楽ファンサイトのガイド役だった気もする。もちろんキャラヴァンやケヴィン・エアーズに関しては文字通り日本一詳しい人。
さてvocaloidソフト、初音ミク(vo)以外は船長1人によるもの。ミクのアニメ声は正直苦手で、もっと涼しげな声質のvoだったらもっといいのに!と思うものも多いのだ(すいません)。
いち早くニコ動の方で聞かせてもらった、"いくつの川を越えれば"は、船長が若い頃に作った曲というが、パイロットを意識したというメロディアスな曲。すごく好きなのだけど、打ち込みではなく人間がプレイするバンド形式かもしくはもっとテクノ・ポップ風のarrで聞きたかった気もする。タイトルはジミー・クリフの"Many Rivers To Cross"にインスパイアされたとか。
あっという間に終わる"Start Again"は、見事な小品で、こういうのを2曲目に入れるセンスは好き。短いけど完結したメロディー。
キンクスの"Hard way"のイントロを借りたパワー・ポップの"支える女"は、ニッチ・ポップ的なセンスが面白い。早口のvoはさすがにミク。vibraphoneが聞こえるだけでニヤリとさせられる"Let Me Sing"は、人気曲。僕はメロトロナーではないけど、この曲の中半のメロトロンに思わず涙腺が刺激された。予期してなかったからね。船長本人の解説では、「PFMとイエスへのオマージュみたいな」曲とか。あとvibeはカナダのポーレンというバンドからの影響かな?とのこと。
さて問題作"人形使い"。ハインラインの短編からタイトルを取ったらしいプログレ趣味全開のインストで、中東風の旋律、うねるようなviolinとミクのスキャットは妙になまめかしい。
"普通じゃないよ"は、原題が"You're not like everybody else"といいなんともキンクス好きの船長らしいねじれた感覚。でもこの曲はそういうタイプじゃなくて、ゆるやかなナンバー。僕はミクじゃない方がいいなあと思うのは、"Bye Bye Bye"とか、こんな曲か。
"Blue For You"は緩やかなスライドが気持ちいいナンバー。僕はこういうのに弱いのだ。
そして"ユメタビウタ"は、アカペラから始まる力強い「再生」の歌。これも"いくつの川"同様涼しげなvoにやってもらいたいなあ。カーペンターズとBJHからの影響大と船長は書いてるが、エンディングのgって何かを思い出すけど、思い出せないんだなあ。