rider#2

La Woman
■Riders On The Storm / The Doors
ジム・モリソンをフィーチャーしたドアーズのラスト・アルバムにあたる「LA Woman」('71)のラストを飾るメロウな曲がこの"Riders On The Storm"。ベスト盤で済ましている不届き者な僕は、やはりベスト盤の弊害で「聞いた気になっている」のか、オリジナル・アルバムを聞く機会を失っているのも事実です。それまでのポール・ロスチャイルドからエンジニア出身のブルース・ボトニックにプロデューサーが交代。ゲストに、ジェリー・シェフ(b)とマーク・ベノ(g)が加わったのもボトニックの意向なのかわかりませんが、それまでbassistをおかず、レイ・マンザレクのbass pedalで代用してきたのに何故今さら?という思いはあります。それにしても嵐のSEから始まるこの曲は、マンザレクの弾くエレピがメロウな味わいで、素晴らしいです。

ドアーズの音楽は決して嫌いではないのですが、ジム・モリソンのカリスマ性とかそういうもの*1に対しての不信感が根強いので、なんとなくドアーズとの距離はあります。僕にとってドアーズとはモリソンのvoよりもマンザレクのorganなので、かの"Light My Fire"も60's末のサイケデリック〜ガレージ・サウンドの一つとして慣れ親しんでますから。

この曲はいろいろなカヴァーがありますが、ホセ・フェリシアーノとそれに影響を受けたブラアン・オーガー&トリニティーのヴァージョンが素晴らしいです。

「LA Woman」リリース後の7月渡仏したモリソンは、ドラッグによる謎の死*2を遂げますが、残った3人はとりあえず「Other Voices」というアルバムを完成させますが、すっかり忘れられています。そして「Full Circle」をリリースして解散(その前に「Weird Scenes Inside The Gold Mine」(ジム・モリソンの遺産)という一風変わったベスト盤も出ています)しています。

01年にはマンザレクとロビー・クリーガーは、カルトのイアン・アストバリー(vo)を加え、ドアーズ・オブ・ザ・トゥエンティー・ファースト・センチュリーというトリビュートバンドを始め、日本のサマーソニックにもやって来ましたが、バンド名をめぐってジョン・デンズモアとモリソンの遺族に訴えられ、結局改名したのが、ライダーズ・オン・ザ・ストームでした。

*1:正確にはロック・ミュージシャンのカリスマ性を賛美する、音楽的話題以外に終始する記事

*2:なんでも何時に亡くなったという事で諸説あるようですが、どうでもいい気もします