keep#2

Foot Loose & Fancy Free
■You Keep Me Hangin' On / Rod Stewart
僕がリアルタイムで接したロッド・スチュワートはこの「Foot Loose And Fancy Free」(明日へのキックオフ)でのロッドでした。前作「A Night On The Town」の成功を受け継いでのWarner Bros第3弾で、ゴージャスな印象に拍車がかかっています。この時期のロッドといえば、強力なバックバンドを得た事がまず挙げられます。ジェフ・ベックの「Blow By Blow」への参加で注目された元ゴンザレスのフィル・チェン(b)、ヴァニラ・ファッジ〜BB&Aのカーマイン・アピス(ds)、ファミリー〜コックニー・レベルのジム・クリーガン(g)、ジョン・ジャーヴィス(kb)、ビリー・ピーク(g)、ストライダーのゲイリー・グレインジャー(g)にロッド(vo)というラインナップ。思えば盟友ジェフ・ベックがらみのリズムセクションが加わった事、特にパワフルなドラミングで知られる(好みではないですが)アピスがらみのヴァニラ・ファッジのナンバーをカヴァーした事は、特別な事だったと思われます。この"You Keep Me Hangin' On "は、元々モータウンシュープリームスの#1ヒットですが、ヴァニラ・ファッジのもったいぶった様なarrのヴァージョンもヒット(67年にリリースして#67、その後68年に#3の再ヒット)していますが、editされたシングル・ヴァージョンでは魅力は伝わりにくいのも事実です。

ロッド・スチュワートのヴァージョンはヴァニラ・ファッジのヴァージョンを下敷きにしていて、重厚なorganから始まりドラマティックに歌われるこの曲へのロッドの想いは、特別だったと推測します。後半フリートウッド・マックの"Oh Well"の哀愁路線になり、泣かせに入る部分は、あざといと思いつつ惹かれてしまいますね。

他にもキム・ワイルドのカヴァーもあります(これは#1)。