woman#3

The Going's Easy
■Magic Woman Touch / The Greatest Show On Earth
グレーテスト・ショー・オン・アース*1は、EMI系列のアンダーグラウンドな、プログレッシヴな、レーベル、Harvestから2枚のLPを出している8人組のブラスロックです。ブラス・ロックと言うと米のBS&T、シカゴが有名ですが、イギリスにもモーガル・スラッシュ、ヘヴン、さらにGSOEといった地味ですがなかなか渋いバンドも多く存在していました。とは言っても、そもそもホーンズの長いソロは苦手なんで、ジャズ・ロックでもブラス系は、スルーと言う事が多かったのですが…
さてこの"Magic Woman Touch"は、アルバムの他の曲とは明らかに手触りが違うソフトな音作りで、僕はホリーズのヴァージョンで知って以来、ずっと気になってはいたのです。そのホリーズ・ヴァージョンは、グラハム・ナッシュの後任だったスウィンギング・ブルージーンズのテリー・シルヴェスターが脱退後、スウェーデンのバンブーと言うバンドにいたミカエル・リックフォースを加えた過度期のものでして、ホリーズ本来の持ち味とはかけ離れてるのですが、当時何も知らなかった僕は、その曲を米Epic編集のコンピCDで聞いた88年頃に、このアコースティックな手触りが、ナッシュが脱退後結成したCS&Nに近く感じ、いろいろ妄想したものでした。

GSOEは、のちにイアン・デューリーのブロック・ヘッズのメンバーとなるノーマン・ワット・ロイ(b,vo)とコリン・ホートン・ジェニングス(vo)を中心とした大所帯のバンドですが、70年の1枚目「Horizons」(かつて東芝から紙ジャケでCD化されましたが、魚眼レンズの眼の不気味なジャケット)、そして本作「Going Easy」ともども疾走感のある、速いテンポのジャズロック中心で、結局僕はかの曲しかなじめませんでした。

*1:バンド名は同名映画「地上最大のショー]('52)から取られているのでしょう