about#3

Byrds
13■See The Skt About To Rain / The Byrds
73年にオリジナル・メンバーで再結成したバーズがAsylumに残した唯一のアルバムが「Byrds」です。昔からなんであんまりみんないい事言わないのかなあ?と疑問だったのですが、それまでのバーズのLPを聞きこんでゆくとすぐわかります。個性がないこと。73年当時のウエスト・コースト・ロックの表層を軽くなぞったようなサウンドは、むしろバーズにふさわしくないのです。
71年に「Farther Along」を出してからもロジャー・マッギンとクラレンス・ホワイトを中心とした末期バーズは精力的にライヴ活動を続けますが、ホワイトがニュー・ケンタッキー・コローネルズというブルーグラス・バンド*1に参加の為、72年に解散しています。マッギンがオリジナル・メンバーのリユニオンを思いついたのか、商魂たくましいAsylumのデイヴィッド・ゲフィンの思惑なのかわかりませんが、とにかく結成から8年後にオリジナル・メンバーが集まりました。
最初に抜けたジーン・クラークは、ゴスディン兄弟との共演盤、ディラード&クラークとしてのA&Mでの2枚、ジェシ・デイヴィスがprodしたLAスワンプな「White Light」といったソロ活動で成功は収めてはいませんが、高い評価を受けています。デイヴィッド・クロスビーは、CS&N、CSN&Y、そしてC&Nの活動でマッギン以上に商業的な成功を収めました。クリス・ヒルマンは、グラム・パーソンズとともにフライング・ブリトウ・ブラザーズの結成の立会い、グラム脱退後も最初の解散まで、FBBを支えました。その後スティヴン・スティルスのマナサスでその才能を開花させています。マイク・クラークの場合はディラード&クラーク、FBBに参加はしていますが、演奏面で難があったとされており、どこまで叩いてたのかは実際は不明です。
その「Byrds」ではクロスビーがソロ曲を持ち込んだり、ジーン・クラークがオリジナルではなくニール・ヤング曲を2曲歌ったりと、レパートリー不足も確かに感じます。クラークが歌った2曲とは、ヤングの2枚目に収められていた"Cowgirl In The Sand"と、公式にはまだ未発表だったこの"See The Sky About To Rain"です。
後者は後にヤングの「On The Beach」('74)で紹介されますが、70's初めからステージではよく歌われていたものらしいです。

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*1:ホワイトが18歳の時組んでいたケンタッキー・コローネルズの再結成