diamond#2
20■Shine On You Crazy Diamond / Pink Floyd
今はEMIから出てるのね。ピンク・フロイドで一番好きな(よく聞いた)のは、実は「狂気」ではなく、この「炎」でした。レーベルをCBSに移しての第1作は、75年リリース。レコード店には、ヒプノシスのシュールなジャケ(右)ではなく、紺色のビニールで覆われてたジャケ(左)が並んでいた覚えです。前作「Dark Side Of The Moon」が世界的なベスト・セラーと成ったため、続く新作がなかなか作れなかったフロイドですが、当初は楽器を一切使わないで演奏するロック、というアイディアもあったとか。これってプログレ・ファン的な発想ですね。結局出来上がった「Wish You Were Here」は、大作"Shine On You Crazy Diamnod"を前半後半にわけその間に小品を挟むという構成でした。音楽的にはデイヴ・ギルモアのうねりをもったg(スライドもたっぷり)を大きくフィーチャーしたギター・ロック的なニュアンスが強い作品となりました。この曲はかつてのリーダーで、精神的に弱かった為バンドを退いたシド・バレットを歌ったと言われてますが、こういう狂気に走った元メンバーを異常に美化する風潮(それはドラッグなどで夭逝したミュージシャンを必要以上に過大評価するパターンでもあります)には、昔からなじめません。
長い曲でどのパートにも見せ場はありますが、僕が一番好きなのはB面の歌の後のファンキーなパート。先日亡くなったリック・ライトの独壇場で、エレピではじまり、クラヴィネットとシンセのフレーズを絡ませます。すごくアラン・パーソンズ的というか、マックス・ミドルトン的なムードです。