can't#2

シュープリームス・ア・ゴーゴー(紙ジャケット仕様)
30■You Can't Hurry Love / The Supremes
僕もフィル・コリンズのカヴァーから入ったクチですが、もちろんシュープリームスのナンバーです。ちなみにsupremesなので本来は「スプリームズ」あたりが正確なんですが慣例的に、こう書きます。マーサ&ザ・ヴァンデラスをスターにしたモータウンのソングライター・ティーム、ホランド=ドジャー=ホランドがデビュー後パッとしなかったシュープリームスを、ビッグにしたわけですが、そのきっかけは最初の#1となった"Where Did Our Love Go"('64)で、このあと5曲連続#1が続きます。
"Baby Love"、"Come See About Me"('64)、"Stop In The Name Of Love"、"Back In My Arms Again"、"I Hear A Symphony"('65)の5曲。
この"You Can't Hurry Love"は66年の#1で、メンバーはダイアナ・ロス、フローレンス・バラード、メアリー・ウィルソンの3人です。67年にバラードがダイアナ重視の待遇にイヤ気がさし、それがもとでのアルコール中毒から解雇される*1までがやはり全盛期でしょう。

80'sに入って、モータウンを象徴するこのbasslineは、カトリーナ&ウェイヴスの"Walking In The Sunshine"、ホール&オーツの"Maneater"、スティーヴィー・ワンダーの"Part Time Lover"などに使われ一大ブームとなったこともありました。それに火を付けたのが、ジェネシスフィル・コリンズによるカヴァーでした。
イギリスのプログレッシヴ・ロック・グループの重鎮として、ジェネシスは堂々たるポジションを気づいていましたが、ピーター・ゲイブリエルの後voを任させるようになった、コリンズはソロではEW&Fのホーンを導入したり、フィリップ・ベイリーとの共演シングル"Easy Lover"を出したりと、プログレ畑から飛び出した、型にはまらない活動が印象的でした。

有名な曲だけあっていろんなカヴァーがあります。

レベッカNOKKOが歌うヴァージョン。歌声ほど体は弾みません。

ストレイ・キャッツの演奏

*1:バラードはソロになりABCからLPを出しますが、成功を収めることはできませんでした。ダイアナ・ロスの強烈なエゴは、モータウンの創設者、ベリー・ゴーディーの後ろ盾あってのものだったんでしょうが、いい話はないです。不遇な死を遂げたバラードの半生をいささかセンチメンタルな脚色で映画化したのが「ドリーム・ガールズ」です。また、スティーヴ・フォーバートの"Romeo's Tune"はバラードに捧げられています