fair#3

ジョエル・ゾス

ジョエル・ゾス

41■Too Long At The Fair / Joel Zoss
ジョエル・ゾスの名前を知ったのは、ご多分にもれずボニー・レイットのセカンド「Give It Up」でした。日本盤LPの小倉エージさんのライナーによると、ボニーのケンブリッジ時代の友人との事ですが、75年にAristaと契約してソロをリリースしています。
ギヴ・イット・アップ

ギヴ・イット・アップ

そのソロがこの「Joel Zoss」で当時日本では紹介されませんでいsたが、数年前にBMGから世界初CD化が実現しています。フォークをルーツに持つシンプルなssw的サウンドで、ユートピアからジョン・ウィルコックス(ds)、ラルフ・シュケット(kb)、ジョン・シーグラー(b)、オーリーンズのジョン・ホール(g)が参加しベアズヴィル・スタジオで録音されました。レーベルこそAristaですがBeasvilleサウンドとして認知されている部分もあってミュージック・マガジン別冊の「ウッドストックサウンド」にも収録されています。
そこでも書かれていますが、ボニーがとりあげた2曲〜"I Gave My Love A Candle"と"Too Long At The Fair"〜をはじめミディアム〜バラード調のナンバーに人気が集まっています。やや暗く訥々と歌われるこれらは、情感あふれるメロディーでなかなか素晴らしいです。冒頭の"Charlie 's Friends"もクリス・スミサーに似たマイナー感が漂います。
その"Too Long At The Fair"は、ホールのdulcimarに導かれる放浪の歌で、確かに明るくはなく、救いを求めるような歌詞が印象的なナンバーで、後半のデイヴィッド・サンボーンのむせび泣くようなsaxともども耳に残ります。
レシーブ二郎さんのブログによると、昨年何と新作が出たとか。中々ヴェテランがんばりますね。