dancing#3

Greatest Hits

Greatest Hits

67■Dancing On Saturday Night / Lyndey De Paul
レココレのグラム・ロック特集('05.6)は新鮮な企画でした。少なくともあれが出るまではグラム=ボウイ、T・レックス、モット・ザ・フープルCBS時代)、コックニー・レベル、ロキシー、ゲイリー・グリッターあたりしか思いつきませんでしたが、そこでは広義のグラム・ロック(グリッター・ロック)としてRAKレーベルの連中やらパイロット、BCR、マッド、ショワディワディまで英バブルガムの連中まで網羅。納得したものです。要はティーン相手のものなんで、必然的に男性アイドルっぽいものもいたわけです。
バリー・ブルーはリンジー・ディ・ポールとの共作で知られるsswですが、アイドル的な側面もありました。"ダンスでごきげん"という邦題がついた"Dancing On Saturday Night"は、73年に#3まで上るヒットとなった典型的なバブルガム・ポップです。

ブルーは本名がバリー・グリーンというのが笑ってしまいますが、ユーライア・ヒープの前身のスパイスというバンドにもいたそうです。

さてこの曲もリンジー・ディ・ポールとの共作で、リンジーのLPではJet移籍第1弾の「Taste Me…Don't Waste Me」('75)に収録されています。そもそもリンジー・ディ・ポールは、フレンチなステージ・ネームとは裏腹にれっきとした英国人で、トム・ジョーンズ、エンゲルト・フンパーディング、ギルバート・オサリヴァンを手がけたゴードン・ミルズのMAMから72年にデビュー。お色気たっぷりの容姿から誤解されてしまってますが、sswでありkb奏者でありポップ・シンガーです。MAM時代は"Sugar Me"('72、#5)というヒットを生みましたが、ショービズ色濃い英国ポップス(というかポピュラー・ミュージック)で、スリルに欠ける部分がありました。

が、スペクター調の"Ooh I Do"('74)をWarner Brosから出したあと(当時の恋人ロイ・ウッド色が濃かったと言われています)、移籍したJetでは3枚のLPをリリースしています。90年に世界初で日本のセンチュリーから3枚(本作、「Love Bomb」、未発表曲集「Before You Go Tonight」)がCD化されましたが、落ち着きすぎたMAM時代よりもJet時代の方がポップ加減も冒険しています。本作「Taste Me」ではボサノヴァ風に生まれ変わった"Dancing On A Saturday Night"、ウイスパリング・ヴォイスが冴える"Lying Again"、"My Man And Me"など名曲が満載です。バックは多分に匿名的なスタジオ・ミュージシャンの演奏で、後にクラプトン・バンドのデイヴ・マーキー(b)、テリー・コックス(ds)、クリス・レイ(g)らが参加しています。

これはMAM時代かな?"Rhythm & Blue Jean Baby"

77年の"Rock Bottom"はマイク・モランとのデュエットで#19。