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Have a Nice Day 11

Have a Nice Day 11

71■The Morning After / Maureen McGovern
映画「ポセイドン・アドベンチャー」(監督:ロナルド・ニーム)の主題歌として有名な"The Morning After"は#1ヒットとなりましたが、この人は結局この一発屋の印象が強いです。それでも"タワーリング・インフェルノ・愛のテーマ"(当時の映画音楽は基本的にスコアものなんで主題歌というか挿入歌には"Love Theme Fron〜"というものが多かったです)の"We May Never Love Like This Again"('75、#85)、「スーパーマン」の"Can You Read My Mind"('79、#54)、更にはTVシリーズの主題曲"Different Worlds"('79、#18)をヒットさせているのですから、ショービズ的な位置の人なんでしょう。
映画の事も少々。70's映画の1つの特色にパニック映画(Diasastor Movie)というジャンルがあります。「大空港」あたりをルーツとするエアポートシリーズ、「大地震」などどで、「ポセイドン・アドベンチャー」の製作を担当した、アーウィン・アレンはこの映画で当てて、更にスケールをアップした「タワーリング・インフェルノ」を大ヒットさせました。「ポセイドン〜」は、元々は「スノー・グース」(キャメルの音楽でおなじみです)、「ジェニー」のポール・ギャリコの原作小説で、あたかもタイタニック号をモデルにした様ですけど実際にあった事件に基づいてるとか。監督のニームは、イギリス人でそれまでやや小粒な作品を撮ってた人だが、この大ヒットでフォーサイス原作の「オデッサ・ファイル」を撮らせてもらえるまでになりました。
この手の映画には常套となったオールスターキャスト(所謂グランド・ホテル形式の)です。神をあまり信じず、いささか過激な思想の牧師にジーン・ハックマン、警部補にアーネスト・ボーグナイン。その妻で元娼婦のステラ・スティーヴンスは、「ケーブルホーグのバラード」が素晴らしかった人。老夫婦は、ジャック・アルバートソンとシェリー・ウィンタース姉弟は、パメラ・スー・マーティンとエリック・シー。船員にロディ・マクドウォール、孤独な中年にレッド・バトンズ、歌手にキャロル・リンレイで、劇中ではリンレイが"The Morning After"を歌う仕組みになっています(更にそのバンドになんと若きワディ・ワクテル(後にリンダ・ロンシュタット・バンド〜ローニン〜スティーヴィー・ニックス・バンド)が!)。

ここまでが、最初に脱出できた人たち。このジャンルはその後「試練」がエスカレートする一方ハッピーエンドを求められる為、帳尻あわせに終始して、やがて飽きられ衰退してゆきますが、ここではずいぶん大らかな感じがあって、それが再見に耐えうるのかなあ、とも思います。

この曲の入ったRhinoの70'sヒット曲集のコンピ「Super Hits Of 70's〜Have A Nice Day」シリーズには本当に世話になりました。このVol.11には他にもデオダード、ジャド・ストランク、BW・スティーヴンソン、エル・チカーノなど73年の中ヒットが収められています。