after#2

スウィート・デシーヴァー+2(紙ジャケット仕様)

スウィート・デシーヴァー+2(紙ジャケット仕様)

72■After The Show / Kevin Ayers
さすがに一時期の熱は冷めましたが、ケヴィン・エアーズにはかなりはまっていました。特に入手困難だった時期(80's初め)に好きになったものですから、想いが強くてCD化され始めてからは発掘音源を含めてずいぶん散財した覚えです。
ソフト・マシーンを1枚目で去り、Harvestでプログレ系のアーティストとして独自のスタイルを確立した初期よりも、ねじれたポップ感覚が増して行った中期の方が好みです。そのエアーズを慕って名うての職人ミュージシャンが次々と付いてくるのもまたたまらないものがあります。74年にIslandに移籍し、ブリティッシュ・ロック色を強めた「The Confession Of Dr.Dream」とニコやイーノ、ジョン・ケイルとのライヴ盤をリリースしますが、"After The Show"は、そのあとにリリースされたシングルのみのナンバーです。昔はSee For Milesから出た「Best Of」でしか聞けなかったのですが、今では75年の「Sweet Deceiver」のボーナストラックに加えられています。ちょうど「Bananamour」('73)の頃のシングル"Take Me To Tahiti"や"Carribean Moon"のようなトロピカル路線(と言ってもエアーズがイメージするのはスペインのイビザ島あたりだったりするのですが)のナンバーで、この頃になるとプログレ云々というのはまったく関係なく、風変わりなsswといった趣です。
75年の「Sweet Deceiver」では、パトゥのオリー・ハルソール(g,b)を大きくフィーチャーした1枚で、フレディ・スミス(ds)、ジェイコブ・マグヌッソン(org)、エルトン・ジョン(p)がバックをつけています。エルトンの参加が話題となりましたが、いささか地味でむしろこういったアルバムにこそエアーズの本質がある気もします。子供たちのコーラスの入った"City Waltz"、牧歌的な"Toujours La Voyage"、ハルソール(ここではヘアカットとクレジットされているのは髪を短くしたからでしょうか?)のgが冴えるタイトル曲などが光ります。

これはまだプログレ的なイメージがあるホール・ワールド時代の有名曲。bassはマイク・オールドフィールド、accはデイヴィッド・ベッドフォード、saxはロル・コクシル。

これはトロピカルな"Carribean Moon"