米都市#6

Shots from a Cold Nightmare

Shots from a Cold Nightmare

92■Hot Nite In Dallas / Moon Martin
ムーン・マーティンというとロバート・パーマーが取り上げた"Bad Case Of Lovin' You"の作者で、オクラホマ出身の70's終わりから80'sにかけてのアメリカのニュー・ウェイヴ〜パワー・ポップのロッカーです。実はキャリアは結構古くて、ジェシ・デイヴィスがプロデュースしたssw、ジム・パルティのいたサウスウィンドというバンドでgを弾いてたり、リンダ・ロンシュタットのLPに参加(結成前夜のイーグルスが加わったCapitol盤です)したりしていました。
Same

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その名前が知られるようになったのは、NY派のロッカー、ミンク・デヴィルが77年に"Cadillac Walk"を取り上げてからで、そのアルバムのプロデューサーのクレイグ・リオンが手掛けた、リサ・バーンズのデビュー作でも3曲取り上げています。同じ頃ママス&パパスのミッシェル・フィリップスのソロ・デビュー作でもタイトル曲が、"Victim Of Romance"だったりと、結構新進のsswとして注目を浴びたのです。そんな中リリースされたのが78年のデビュー作「Shots From A Cold Nightmare」です。
先のパーマーがカヴァーしたナンバーを含め重要な曲はすべてここのあると言っても過言ではないでしょう。バディ・ホリーチャック・ベリービートルズに強く影響され、当時のプレ80'sテイストを加えたロックンロールは、60'sのものに比べると無機質な感じは否めませんが、なかなかカッコイイ。同じようなパターンの曲ばかりいいのは、多少問題ありますが、疾走するロックンロールです。
そのクレイグ・リオン(ブロンディーやラモーンズを手がけました)がプロデュースした「Shots From A Cold Nightmare」('78)は、ブロンディーのゲイリー・ヴァレンタイン(b)、ドゥワイト・トゥイリー・バンドのフィル・セイモア(ds)、リオン(kb)という布陣です。この"Hot Nite In Dalla"は、ソリッドなロックンロールで、マーティンを代表するパターンのナンバーです。ただ残念な事に、線の細さは隠しようもなく、パーマー、フィリップスのそれぞれのヴァージョンが素晴らしいのは言うまでもありません。


ダラスというともうJFKの話しかないですね。ポコにも"Dallas"という曲がありましたが、それはドナルド・フェイゲンの習作時代のナンバーでした。