-less#2

105■Wingless / Focus

Con Proby

Con Proby

一般的にフォーカスというと、70's初期のヤン・アッカーマン(g)とタイス・ヴァン・レアー(kb,fl,vo)がいた時期の作品が人気ですが、はじめて聞いたこのバンドのアルバムは、再結成後の78年にリリースされた「Focus Con Proby」(Harvest)でした。高校のクラブのK先輩(この人はいろいろロックのこと教えてくれた人です)がテープに録音してくれ、と貸してくれたやつだったのですが、英盤だし解説も知識もなかったので、どういう位置にある作品なのかも当時は、よくわからなったののでした。今わかる範囲で書くと、アッカーマンが脱退した後ヴァン・リアー主導で再結成した時期の1枚で、64〜65年頃にヒット曲を連発したアメリカのヴェテラン・シンガー(プレスリーっぽいという記述があります)PJ・プロビー(vo)、イーフ・アルベルズ(g)、フランスのジャズ系のgtr、フィリップ・キャサリン(g)、スティーヴ・スミス(ds〜ジャン・リュック・ポンティ・グループ)にオリジナル・メンバーのレアー(kb,fl)とバート・ルイテル(b)の6人がメンバーです。
昔からのファンには黙殺されたと言われる1枚ですが、何の先入観もなく聞くと、プロビーのvoはやや大げさながらまあまあです。とりわけA面はよく聞いていた覚えがあります。クールなインスト"Sneezing Bull"では、キャサリンとリアーのgとflの掛け合いがカッコイイですが、フュージョンに近い手触りです。アルベルズという人が弾きまくる冒頭の"Wingless"も情念込めた歌声の"Eddy"も悪くないです。
それでも、このアルバムを褒めるのは、ザ・バンドでは一番好きなのは「Island」です、と言ってるようで何となく居心地が悪いです。
念の為にカルト的な"悪魔の呪文"(Hocus Pocus)と"Sylvia"も聞いてみましょう。