-less#3

サウザー・ヒルマン・ヒューレイ・バンド

サウザー・ヒルマン・ヒューレイ・バンド

106■Deep Dark And Dreamless Nights / The Souther Hillman Furay Band
SHFバンドは、多くのスーパー・グループと呼ばれるバンド同様、長くはもちませんでしたし、自分たちの意向よりもレーベルの意向に左右されたものでした。バーズ、フライング・ブリトウズ、マナサスのクリス・ヒルマン(b,g,mand,vo)、バッファロー・スプリングフィールド、ポコのリッチー・フューレイ(g,vo)そしてsswのジョン・デイヴィッド・サウザー(g,vo)がそれぞれ自作を持ち寄る形で完成した74年のファーストは、スリー・ドッグ・ナイトを手がけたリッチー・パドラーがプロデュースしたもので、僕なんかは典型的なLA産のカリフォルニア・サウンドといった印象で大好きなんですが、その種のファン以外には、レイドバックしすぎとあまり評価は高くありません。バックを務めるのはマナサスの残党で、ジョー・ララ(perc)、アル・パーキンス(steel)、ポール・ハリス(kb)にジム・ゴードン(ds)といった布陣です。このファーストでは3人の力関係が均衡していて、適度な緊張感もまああったのですが、セカンド「Trouble In Paradise」では、フューレイが少し引き、サウザー色が濃くなっていて、そのうちに解散してしまいました(一節ではフューレイの信仰心に他のメンバーが根を上げたという話も…)。
そのファーストでは、一番知名度が低かったサウザーの曲に意外に力があったのも事実です。とりわけジム・ゴードンの切れのいいハイハットが冴える"Border Town"とゆるやかなうねりを持ったカントリー・ロックの"Deep Dark And Dreamless Nights"は素晴らしい。後者は同時期のイーグルスの音に近いです。