dream#3

アイム・イン・ラブ(紙ジャケット仕様)

アイム・イン・ラブ(紙ジャケット仕様)

108■Lovin' Good Dream / Rory Block
ロリー・ブロックというと名前こそ知っていたけど、本格的なルーツ・ミュージックという印象があって、長らく敬遠していたという経緯があります。彼女をブルーズ・シンガー/ギタリストという紹介してあるものが多く、そういう情報が邪魔していた感じもあります。実際その情報は誤っていないのですが、去年紙ジャケで出た75年のファースト(RCA)にしても、Blue Gosseから76年に出たセカンドの「I'm In Love」にしてもブルーズというよりはブルー・アイド・ソウル的な要素が濃くて、今の時代にマッチしています。そのセカンドは、そういえば南青山のパイド・パイパー・ハウスによく飾ってあった事を覚えています。タートルを着た美女がロリー・ブロックだったわけですが、そのいでたちとブルーズというのがどうもつながらなかった事も確かです。幼少の頃からグリニッジ・ヴィレッジ周辺に集まるフォークシンガーに気に入られていたという環境ですから、76年の時点ですでに37歳だったわけですが、このジャケットはそうは見えません。
さて16ビートのキラー・チューン、"I'm In Love"でスタートするこのアルバムは、A面がブルー・アイド・ソウル的なナンバー、B面がブルーズ〜ノスタルジック色の濃いナンバーが並んでいます。アーティ・トラウム(g)、ローリー・サリー(b)、エリック・ヴァディナ(ds)らがバックをつけたシンプルな演奏です。すべてのvoをロリーが手掛け、ゴスペル的なコーラスが素晴らしい"Lovin' Good Dream"がベストトラックですが、先にふれたタイトル曲も素晴らしい。またアラン・シードラーの弾くタック・ピアノがノスタルジックなムードを漂わせる"Nobody Knows You When You're Down And Out"、ラグタイミーなインスト"Powder Rag"など素敵ナンバーが並んでいます。


最近の姿はこうですが、これはまったくブルーズ・シンガー〜ギタリストですねえ。