water#3

バーガーズ(紙ジャケット仕様)

バーガーズ(紙ジャケット仕様)

158■Water Song / Hot Tuna
長いこと音楽聞いてると、それまでフツーに流して聞いていたアルバムが、ある日突然急に「クル」事があります。ホット・ツナ(トゥナと書くのは気恥ずかしいから)の場合、初めの出会いが「フィルモア最後の日」のサントラで、それからアコースティック・ブルーズのファーストでした。このラグタイムなファーストで僕は大いにコケて、それからしばらく疎遠状態が続きます。90'sの後半にネットを初めて熱狂的なファンの方と知り合い*1、しばらくして買ったのが、グーゼン見つけたこの「Burgers」('72)でした。たまに針を落とす度に、いいんだけどあと少し何かが足りない、と思い続けてきたけど、久々に聞くとドンピシャだったのです。キターって感じ。それが4年位前の事*2
ニューオリンズ・ハウスのホット・ツナ(紙ジャケット仕様)

ニューオリンズ・ハウスのホット・ツナ(紙ジャケット仕様)

「Burgers」は、ツナにとっては3枚目になるアルバムで、ヨーマ・コウコネン(g,vo)、ジャック・キャサディー(b,vo)、パパ・ジョン・クリーチ(vn,vo)、サミー・ピアッザ(ds)の4人編成のもの。ラグタイムっぽいヨーマのgは、アコースティック・オンリーだとつらいけど、エレクトリック・ブルーズを含む編成なら文句なしOK。このアルバムのベストトラックは、イントロからして即死させる"Sea Child"、伸びのあるgをたっぷりとフィーチャーしています。ラグタイミーな"Keep On Truckin'"あたりでしょうが、インストの"Water Song"も素晴らしい。ヨーマはルーツがスカンジナヴィア系だそうですが、ここでのアコギの使い方は英フォーク的な響きもあって、思い出すのはダンド・シャフトやペンタングル、それがアコギ1本ではなく、リズムセクションに乗せ、陰影をつけた表情を見せます。エンディングまで心憎い気づかいです。

*1:マイミクでもあり、今では僕のネットの一番古い部類のお友達になってしまいましたが、その人の当時のHNは、Marjorieさんと言います

*2:というような話をすでに2年前にここで書いてます