steel#3

Shamrock Diaries

Shamrock Diaries

172■Steel River / Chris Rea
何度も書いていることですが、"Fool"でデビューした頃のクリス・レアは、エルトン・ジョンの再来として期待された若々しいイメージのsswでしたが、いつしか渋い男くさい風貌と音に変わっていました。レーベルは英Magnetで日本盤は東芝EMIから出ていましたが、その後CBSソニー、ビクターへと移りました。イギリスは音楽マーケットが狭いのと、法律的な問題なんでしょうが、いくつかのレーベルでは、それこそ無制限に近いくらい安易なベスト盤が乱発されます。これは契約の問題なんでしょうが、日本ではクリス・レアの音楽性が見えにくくなっている原因の一つです。
さて僕が久しぶりにクリス・レアの音楽と向き合ったのは85年の「Shamrock Diaries」で、ピーター・バラカンの放送でOAされたことがきっかけです。ゴンザレスのロバート・アーワイ(g)、ハミングバードのマックス・ミドルトン(kb)、フェアポート・コンヴェンションのサイモン・ニコル(g)、デイヴ・マタックス(ds)らが加わった、同時期のエリック・クラプトンからブルーズ色を薄くした様な、力強い大人のロックです。

本国以上にオランダとドイツで売れまくったというこのアルバムの成功は、次の大ヒット「On The Beach」へとつながってゆくのです。

タイトル曲の"Shamrock Diaries"は、クリス・レア版"The Pretender"でしょうか?ちなみにタイトルに使われたクローバーの総称であるshamrockは、アイルランドの国花です。