Chu's Garden4

■ほうろう

ほうろう

ほうろう

75年にリリースされた小坂忠の大傑作。というかティン・パン・アレイの大傑作というべきでしょうか?前作「はずかしそうに」では、まだカントリー・ロック的なナンバーもありましたが、ここではソウルマナーに則った歌唱で、少なくとも「ありがとう」の頃とはかなり違います。その「ありがとう」に入っていた"機関車"の再演ヴァージョンは、「バンド・ワゴン」の武者修行から帰国した鈴木茂がローウェル・マナーのgを聞かせます。鈴木、細野、林、松任谷のティン・パンに鈴木顕子(矢野顕子)、デビュー前のシュガー・ベイブから山下達郎大貫妙子吉田美奈子、そしてarrに矢野誠という黄金のラインナップ。はっぴいえんどのナンバーも風街テイストを残しつつ、ソウルモードに仕上げられています。エイプリル・フール時代の"タンジール"を焼きなおした"流星都市"もいいです。
■Garden Of Archives〜New Sound Age'75

今回の箱の目玉の一つが75年の「ほうろう」のライヴ映像7曲のDVDです。鈴木、細野、林に佐藤博(kb)、ジョン・山崎(kb〜スクールバンド)、浜口茂外也(perc,fl)、吉田美奈子(vo)のラインナップ。一部はyou tubeで見たことあったけど通しで見るのは初めてです。スタジオで練りこまれた「ほうろう」に比べると、いくら当時最強の音楽家集団といえども、荒いし、深みに欠ける部分はあります。あと吉田美奈子の存在。コーラスと呼ぶにはフィーチャーされまくってますが、フロントで小坂忠と並んで踊りながら歌う様には、違和感あります。少なくとも後ろだったらもっとよかったのかも…