tonight#2

194■I Want To See The Bright Light Tonight / Richard & Linda Thompson
I Want to See the Bright Lights Tonight
フェアポート・コンヴェンションの看板gtrだったリチャード・トンプソンはバンド脱退後の72年に最初のソロ「Henry The Human Fly」を出していますが、続いて夫人のリンダと組んで活発に活動を続けます。シンプルながら印象なジャケットに包まれたこのコンビの最初の1枚「I Want To See The Bright Lights Tonight」は74年にIslandからリリースされていますが、バックはサイモン・ニコル(g)以下フォザリンゲイのパット・ドナルドソン(b)、プレインソングのティミ・ドナルド(ds)といったフェアポートゆかりの人たちがバックをつけています。いわゆるトラッド的な世界ではありますが作品はすべてオリジナル。昔ほどではないですがどの局も同じように聞こえて仕方がありません(^^; そんな中タイトル曲はちょっとサイケ的なポップにも聞こえます。ほとんどの曲をリンダが歌い、リチャードはコーラスをつける程度ですが、曲によってはdulcimarやkbも弾きます。コステロが取り上げた"Withered And Died"のオリジナルはこのLPに入っていました。
トンプソン夫妻の活動はリアルタイムでは、日本にはあまり伝わっておらず、かつて渋谷の道玄坂にあったロック喫茶ブラック・ホーク(晩年に一度訪れたことがありますが、その時はレゲエがかかっていました)のような特殊なスペースでは注目されていましたが、広くロックファンに聞かれていたとは言い難いです。そういう状況は90'sまで続き、時代が一回りしてトンプソンの音楽が若い人たちに新鮮に感じられるようになると(ピーター・バラカンの放送で僕はちゃんと音を聞きました)、名前も再び語られるようになりました。