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ナチュラル・プログレッションズ

ナチュラル・プログレッションズ

206■How Can You Live Without Love / Bernie Leadon Michael Goegiades Band
イーグルス結成当初は、メンバーの中で一番知られた存在だったのがバーニー・レドンでした。ディラード&クラークからフライング・ブリトウズに加わった、いわば正統的なカントリー・ロック人脈の中に身を置いています。もちろんリアルタイムではないのですが、イーグルス結成のニュースが72年当時もし日本のマスコミに入って来たのなら、「FBBのレドンが、元ポコのランディ・マイズナーらと結成したカントリー・ロック・バンド」と紹介されてもおかしくないほどの経歴を持っていました。イーグルスと並行してFBB人脈のセッションもこなしていますが、脱退後初期のプロデューサーのグリン・ジョンズとは常にコンタクトを取っていたようで、ジョンズがらみのセッションには呼ばれてた様です。変わったところでアンディ・フェアウェザー・ロウのソロには2枚とも参加しています。
さてイーグルス脱退後目立った活動をしなかったレドンが、ジョニー・リヴァースのバンドにいたマイケル・ジョージアデス(g,vo)と結成したのが、レドン・ジョージアデス・バンドで、77年に唯一のLP「Natural Progressions」(Asylum)を残しています。イーグルスのカントリー・ロック的な部分を担っていたので、ストレートなカントリー・ロックになるのでは?という予想もありましたが、77年という時代に即したメロウな音づくりで、イーグルス時代最後の作品となった"I Wish You Peace"に通じるものがあります。メンバーは2人の他、ジョン・スチュワートやデイヴ・メイスンのバンドにもいたブライアン・ガロファロ(b)、デイヴィッド・ケンパー(ds)、スティーヴン・ゴールドスタイン(kb)の計5人で、ジョンズの控え目なストリングスもアメリカ人が言うところの「ソフト・ロック」に仕上がっています。レドンの名前が先に来てはいますが、フロントに立っているのはジョージアデスで、軽妙なポップロックを披露しています。
"How Can You Live Without Love"はレドンの作品でアコースティックなムードもありますが、メロディアスで聞きやすいです。レドンはもう1曲"Glass Off"という幻想的な名曲をやっています。
アルバムをリリース後ツアーに出たとかいう話も聞かず、結局は地道なセッション活動に戻り、カントリー系のアーティストのバックを務めていましたが、90's日本の呼び屋のカズ&アソシエイツがニコレット・ラーソンとのジョイント・コンサートをブッキング。そこで僕もレドンを見たのですが、何とも地味なルーツ・ロックでした。