night#2

16 Greatest Hits

16 Greatest Hits

208■Screaming Night Hog / Steppenwolf
ステッペンウルフと言うとどうしても話は「イージー・ライダー」とか"Born To Be Wild"とかに行ってしまうのですが…もともとはザ・スパロウというブルーズ・バンドを前身としていたステッペンウルフは、ヘルマン・ヘッセの作品からバンド名を取ったあたりからもなんとなくわかりますが、リーダーのジョン・ケイは西ドイツ出身でカナダへ移住してきたという経緯があります。バンドはトロントで結成され、活動の場所をLAに移しています。デビューは68年で、69年の映画「イージー・ライダー」に"Born To Be Wild"と"The Pusher"(ホイト・アクストン作のこの曲はヤクの運び屋を歌った歌です)が使われ注目されました。

当時のラインナップは、ケイ(g,vo)、マイケル・モナーク(g,vo)、ゴールディ・マクジョン(kb)、ジェリー・エドモントン(ds)、ニック・セント・ニコラス(b)です。基本的にブルージーなロックンロールでありながら、「イージー・ライダー」の影響で男くさい、バイカー向けのロックという印象もあります。サイケデリックなgやorganも聞かれますが、シンプルなロックンロールです。当時のニクソンの政策を批判した政治的な"Monster"('69)というヒットもありますが、これは少し異色です。

手元にあるのは、73年にリリースされた「16 Greatest Hits」(Dunhill)ですが、どの曲も明快なgのリフがカッコいいです。70年に出た「Live」も傑作という評価でした。僕も一時期気に入ってた覚えありますが、忘れてしまった…
71年の「For Ladies Only」の後活動を休止し、Dunhillは「Gold」('71)というベスト盤を出すのですが、そこに未発表曲として収められていたのが、この"Screaming Night Hog"です。タイトルからホラー映画の様なおどろおどろしいものを感じますが、harmonicaやgのフレーズがブルーズ・ロックしていて今の耳には妙に新鮮です。この曲はそのまま先にふれた2枚組LPの「16」(「Gold」に続くLPとなりました)にも収められています。

74年にEpicに移籍して「Slow Flux」でカムバックしますが、時代は変わりなかなか厳しい状況となりました。