色#5

ホワイト・レディ

ホワイト・レディ

■White Lady / Badger
バジャーは、イエスのトニー・ケイ(kb)、ガンのポール・ガーヴィッツ(vo)、パリッシュ&ガーヴィッツのブライアン・パリッシュ(g)、アシュトン、ガードナー&ダイクのロイ・ダイク(ds)、ウォリアーズのデイヴ・フォスター(b)から成る4人組で、デビュー作がロジャー・ディーンのジャケットという事もあってイエス・フォロワー的なプログレバンドとして一部で人気を集めていましたが、その後大幅なメンバーチェンジ後AtlanticからEpicに移籍して「White Lady」('74)をリリースします。
ワン・ライヴ・バジャー(紙ジャケット仕様)

ワン・ライヴ・バジャー(紙ジャケット仕様)

アラン・トゥーサンをプロデューサーに迎えたその音は、プログレでも何でもなく、ブルー・アイド・ソウルっぽいファンキー志向のもので、当時の雑誌の評では「ソウルっぽい」と書かれてました。この時期のメンバーは、ケイ、ダイク以外は一新され、ダイクの元同僚キム・ガードナー(b)、Appleからソロデビューしたアンダーテイカーズのジャッキー・ロマックス(vo)、ポール・ピルニック(g)が新加入しています。
実際ここでのファンキーなテイストは、今聞くと結構心地いいです。ニュー・オーリンズ録音でホーンズやコーラスを巧みに入れ、浮遊感のあるサウンドを作り出すトゥーサンの手腕はさすがですが、全曲書いたロマックスのソングライティングの力ももっと評価されていいのでは…
タイトル曲はジェフ・ベック(g)が参加しているという事で、昔から有名な曲ですが、ここでもゆるやかなホーンズと切れ味鋭いベックのソロが混在した世界はなかなかおもしろいです。74年というと傑作「Blow By Blow」が生まれる直前で、Uppとのセッションも行われていた時期です。英Epic同士ゆえに実現した組み合わせでしょう。残念ながらセールス的に失敗してバジャーはこのまま解散してしまうのです。