wheel#3

...W/Brian Auger & the Trinity

...W/Brian Auger & the Trinity

255■This Wheels On Fire / Julie Driscoll with Brian Auger & The Trinity
元々はボブ・ディランの「Basement Tapes」セッションの1曲で、67年頃の録音。一説ではこのセッションで陽の目を見たものは半分程度とか。実際正規にリリースされたのは録音から8年ほどたってからの事ですが、楽曲そのものは違法コピーのブートレッグなどで、録音からほどなく関係者筋には出回っていたらしい。70年までディランのマネージャーを務めたアルバートグロスマンが隠遁していたディランを引っ張りさせないなら、せめて楽曲に陽の目を浴びさせるべきだと考えたようで、67年夏には早々とアセテート盤が作られ、業界関係者に配られたようです。そしてここからPP&Mが"Too Much Of Nothing"を、マンフレッド・マンが"Mighty Quinn"を、バーズが"You Ain't Goin' Nowhere"を取り上げています。そしてザ・バンドが「Music From Big Pink」で取り上げるのよりも早く、ジュリー・ドリスコールがブライアン・オーガーのトリニティをバックに録音したヴァージョンが、68年全英#5まで上がるヒットとなりました。
ロング・ジョン・ボールドレーとロッド・スチュワートをフィーチャーしたセティームパケット出身のオーガーとドリスコールは、66年にバンドが解散後、トリニティを結成、オーガーのorganを前面に出したジャズロック〜オルガン・ロックですが、ドリスコールの幅広いジャンルを内包した歌唱も大きな魅力でした。67年からMarmaladeというジョルジオ・ゴメルスキーが設立したレーベルでシングルをリリースしていますが、この"This Wheels On Fire"もMarmaladeからのリリースです。
69年にはコンセプト・アルバムとして傑作の2枚組「Streetnoise」をリリースしています。

作者の一人リック・ダンコのvoをフィーチャーしたザ・バンドのヴァージョンは、テンポを速めてロック的になっていますが、オーガーのヴァージョンは、ゆったりとしたものです。

バーズやスージー&バンシーズのカヴァーもあります。