water#2

サーフズ・アップ

サーフズ・アップ

■Don't Go Near The Water / The Beach Boys
最初に「Surf's Up」('71)の事を知った頃、そんなに曰くがあるやつとは思いませんでした。70's後半にサンリオから出た「ロック名盤のすべて」というムック本(まあバイヤーズ・ガイドですが、あの当時かなりのレヴェルで網羅していました)で知りましたが、この本のジャケット写真がものによってはえらくピンボケで、実物を見てこういう風だったの?と思う事多数でした。この「Sur's Up」もそう。Capitolを離れ自身のレーベルBrotherをReprise内に作っての第1弾「Sunflower」('69)は内容に素晴らしさの割にセールス的には惨敗でしたが、Capitolからのライヴ盤を挟んで、「Surf's Up」は、幻の「Smile」の中のナンバーをタイトル曲にしています。今でいうコアなファン(が当時リアルタイムでいたのかどうかは不明ですが)からすれば狂喜したでしょうが、当時のビーチボーイズは、ブライアン・ウィルソンは相変わらず好不調の波が大きく、カール・ウィルソンとブルース・ジョンストンの力で支えられた部分は大きかったようですが、メンバー以外の外部者(スポークスマンのジャック・ライリー)の介入も大きく、ライリーが稚拙なvoを披露する"A Day In The Life Of Tree"など全くの茶番ですが、ライリーのエコロジカルな視点の歌詞は、今となっては大きなメッセージにも取れるのが皮肉と言えば皮肉です。
"Don't Go Near The Water"は水滴の音を模したかのようなsynが印象的なポップ・ナンバーで、なんとヴィディオ・クリップがあった。冬のブライトン・ビーチでの演奏のシーンがシンプル。なんとブロンディー・チャップリン(g)とリッキー・ファター(ds)という次作で参加するメンバーもいる。マイク・ラヴとアル・ジャーディンの作品。