horse#3


286■Pale Horse / The Lee Riders
pale horseとは聖書のヨハネ黙示録に出てくる「死」の象徴で「蒼ざめた馬」と訳されることが多い。蒼白い馬に乗るのは死神と決まったものです(イーストウッドの「ペイル・ライダー」を見よ)。このリー・ライダーズは、コチーズにも参加した黒人dsのロイ・オテムロとロバート・リー(g,vo)、マイケル・コナー(kb)、マイク・ライリー(b,steel)、マット・プレスビー(g)による5人組で、72年にUnited Artistsに唯一のLP「The Lee Riders」を残しています。
いわゆるイギリスのアメリカという世界ですが、後の3人はアメリカ人で、73年にピュア・プレイリー・リーグに参加した事から、このバンドに付加価値がついた模様。実際存在すら知られてなかったバンドで、資料も少なく、出所は同じなので心もとないですが、06年にVinyl JapanよりCD化されました(マイミクのらんさんに聞かせてもらった)。例によってライナー氏の文章には大文字のエーゴ(しかもスペルミス多し)が多すぎで、(TOUR MEMBERなんてこう書く必要があるのか?)ヒジョーに読みづらい。
数ある英国のザ・バンドの中では枯れた味わいがありますが、米南部に影響を受けつつやはりブリティッシュだなあ、と感じさせるのはあまりメロディアスではない部分か。硬い感じのgはリーダーでほとんどの曲を書いているリーによるものらしいが、"Hookin'"あたりはエッグス・オーヴァー・イージーにも通じるパブロック的な感じ。
この"Pale Horse"はユルめのカントリー・ロックでおそらくは、BJコールが弾いてるのだろうsteelが心地いい(ライリーはsteel弾くと言うクレジットはあるが)。この手のものがあと1曲あればもっとよかったかなとも思います。
コチーズのメンバーでもあったコールは、steel-gがらみのセッションでは、当時ほぼ独占状態で、これはプレイヤーそのものの絶対数が少なかったこともあって、70'sの英国ロックのsteel-gプレイの9割近くにかかわっています。