remember#2

Manassas Pieces

Manassas Pieces

■Do You Remember The Americans / Manassas
今年になって突然リリースされたマナサスの未発表曲集「Pieces」ですが、全体に短くまとめられててそういう意味では欲求不満あります。マナサスのセカンドも75年の「Stills」もそうですが、シングル・マーケットを意識しすぎたのか、コンパクトにまとめすぎで、ヤマが来るあたりでフェードアウトして終わってしまうというパターンが多かったです。
ファーストのレコーディングの際、レパートリーが多すぎて2枚組になってしまったという話がありましたが、そこにも漏れてしまった"Witching Hour"からスタート。これはヒルマンの初ソロに収められましたが、それのスティルス・ヴァージョン。緩やかなsteelが心地いいです。ジョー・ウォルシュのスライドをフィーチャーしたヒルマンの"Lies"は、セカンドに収められたものですが、別ヴァージョン。ボニー・レイットがハモる"Like A Fox"も短すぎて惜しいです。これも緩やかなsteelが印象的。"Pensamiento"の原曲"Tan Sola Y Triste"は、ラテン+カントリー・ロック風のインスト。「Stills」に収録された"Shuffle Just As Bad"の原曲、"Fit To Be Tied"もワウワウ・ペダルを使ったプレイが印象的なナンバーですが、短すぎる。こういうのこそジャムっぽく6分は欲しいなあ。「Down The Road」の為に書かれ、結局はSHFバンドに流れてしまった"Love And Satisfied"のオリジナル・ヴァージョンはかなり泥くさい。レイ・チャールズの"Lonely Avenue"のフレーズを盛り込んだブルーズの"High And Dry"は、このCDのハイライトともいえるものです。ルーズなスライドも聞かれます。"Penhandle Rag"はバイロン・バーライン(fdl)が加わったカントリー〜ブルー・グラスっぽいインストで、"Dim Lights"、バーラインが歌うビル・モンローの"Uncle Pen"、そして「Down The Road」にも収められた"Do You Remember Americans"は、その系統の物。これもまたマナサスの姿なのです。そしてアルバムは、スティルスのアコギによる弾き語りのブルーズ、"I Am My Brother"で締めくくられるのです。