■■■ブルー・クリスマス('78日本)

ブルークリスマス [DVD]

ブルークリスマス [DVD]

監督:岡本喜八
主演:勝野洋竹下景子仲代達矢岡田英次岡田裕介八千草薫
倉本聰の脚本「UFO・ブルー・クリスマス」の映画化で、SFXを一切使わない、宇宙人も宇宙船も出てこないSF映画としてカルトな人気を誇ったものです。実際SF映画というよりは〈政府〉による謀略サスペンスとして見た方がいいでしょう。UFOに遭遇すると血液が赤から青になるという事から、青い血の持ち主を隔離し、抹殺してしまうと言う話。青い血をエイズあたりに置き換えると、背筋が寒くなる話。TV局のディレクター、仲代が真相に迫ろうとする話と国防省工作員、勝野とその恋人で青い血液の持ち主、竹下(若い)の話が交互に描かれる。やや長いが力作。ピンク・レディーの登場で、UFOはユーフォーと読むことが当たり前となったが、それ以前にはユー・エフ・オーと発音していたことも又思い出します(謎の円盤ユー・エフ・オーという海外ドラマもあった)。エヴァンゲリオンの中でシト(使徒)の血が青いと言う設定は、喜八ファンの庵野監督らしい、というのはその種のファンの間では有名な話。他には小沢栄太郎大滝秀治大谷直子沖雅也田中邦衛中条静夫高橋悦史、伊藤敏孝、天本英世岸田森ら。主題歌はCHAR。タブラを使った音楽もなかなかいいです。脚本を一字一句変えてはいけないという契約の為、かなり苦労があったらしい。公開当時は不評で、少なくとも見たものがすっきりする映画ではないですし、現在の批評もUFOの光線浴びると血が青くなり、性格も丸くなるとは??とか、あからさまな「未知との遭遇」からの引用云々というものが多いですが、主題となるのは謀略サスペンスなんで、やはりこれは怖い話です。