今年の5冊

(順不同)
武士道シックスティーン誉田哲也(光文社)

武士道シックスティーン

武士道シックスティーン

・刻まれない明日:三崎亜紀(祥伝社)
刻まれない明日

刻まれない明日

・リレキショ:中村航(河出書房新社)
リレキショ

リレキショ

鴨川ホルモー万城目学(角川文庫)
鴨川ホルモー (角川文庫)

鴨川ホルモー (角川文庫)

1Q84 Book1 & Book2:村上春樹(新潮社)
1Q84 BOOK 1

1Q84 BOOK 1

あと1週間あるので、あと2〜3冊は読めそうですが、とりあえず今年の5冊
今年は何と言っても誉田哲也でした。平積みになった「ジウ」を読むところから始まって一気です。姫川ものの新作も出たし(よって「ストロベリー・ナイト」から読み直してる)、「疾風ガール」や「武士道」シリーズの青春ものもよかった。何度も書いてますが、劇画調(ややライトノベル寄りか)で深みに欠ける部分もありますが、今年の一押しでした。結局は10冊近く読んでるのですが、「武士道」シリーズの第1作「武士道シックスティーン」をセレクト。
栗本薫の訃報もやはりショックでした。何年か前から予測はしてたんですが、実際に逝ってしまうと喪失感はあります。もう15年くらい僕にとっては「グイン・サーガ」だけの人でしたが、もう30年近くの付き合いですから。いみじくも新井素子がどこかで書いてた様に「物語の神様が生かし続けてくれるはず」と何の根拠もないながら信じていたのです。
「このミス」や「文春」のベスト10を見ると、なじみのない顔ぶればかりでしたが、いつもは常連の宮部みゆきが「英雄の書」、大沢在昌が「欧亜純白」(12月刊行の為未読)と「罪深き海辺」、京極夏彦が新作なし(来年早々出る)、恩田陸が「ブラザー・サン、シスター・ムーン」「訪問者」、「六月の夜と昼のあわいに」が、更に豊島ミホが今年は休筆、島本理生が「君が降る日」、柴崎友香が「ドリーマーズ」(未読)とどれも決定的な作品じゃなかったこともありました。
そんな中新しい出会いもありました。前述の誉田哲也もそうですが、中村航万城目学(あの世界観は魅力あります)、有川浩(これがライトノベルと言うなら、読めます)は今年の収穫(いまさら何を言ってるんだという意見もあるでしょうが)でした。去年見つけた三崎亜紀は「刻まれない明日」を、伊坂幸太郎も「モダン・タイムス」、「ゴルデン・スランバー」級の作品ではなかったですが「あるキング」そして「SOSの猿」(未読)を上梓しました。
そして今年読んだ、じゃなくて、今年出たということに限ると、村上春樹の「1Q84」につきます。個人的にはBook3なんていらないと思うのですが(「ねじまき鳥」も3つ目はいらなかった)、どうでしょう。かつての「ノルウェーの森」以上のベストセラーですが、あの時に比べると、一般的な批評も好意的というか、それだけ村上春樹が浸透してきたんでしょうね。