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Stills

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10032■Turn Back The Pages / Stephen Stills
マナサス解散後AtlanticからCBSに移籍したスティーヴン・スティルスの「Stills」('75)は、CBS時代の作品では一番の出来ですが、ヒット狙いもあったのか長い曲も短く編集されてしまってもの足りない部分が残ることも確かです。新たなパートナーとしてスティルスが指名したのは、オデッセイというバンドにいたドニー・デイカス(g,vo)で、この「Stills」('75)は、74年のクライテリア(マイアミ)、カリブー・ランチ(コロラド)、レコード・プラント(LA)、アイランド(ロンドン)で録りためたものを編集した継ぎ接ぎの1枚で、いわゆるバンド・サウンド的なまとまりはないです。けれど豪華ゲストを適材適所に起用したスタジオワークの技が聞かれます。
そのオープニングを飾るのが"Turn Back The Pages"で、タビー・ジーグラー(ds)、ジョー・ララ(perc)、ジェリー・エイエロ(org)、デイカス(g)、スティルス(g,b,vo)、マーシー・レヴィ(vo)という布陣。当時クラプトン・バンドにいたマーシーの参加は、同じころクライテリアでレコーディングしてたのかな。ラテン風味とドライヴするgがかっこいいロックンロールです。
先に豪華ゲストと書きましたが、ベティ・ライト("Cold Cold World")、クラウディア・レネアー("Myth Of Sisyphus")、ダニー・ハットン、ペギー・クリンガー("My Favorite Things")、クロスビー&ナッシュ("As I Come Of Age")といったコーラス陣の層の厚さもこのアルバムを一層華やかにしています。また身内のバンドのケニー・パサレリ、デイカスのコーラスも見事です。