lucky#2

Fish Out of Water (W/Dvd)

Fish Out of Water (W/Dvd)

■Lucky Seven / Chris Squire
75年はイエスのメンバーがバンド活動を休止し、こぞってソロをリリースした年でした。新参加のパトリック・モラーツは別にして、セッション仕事が多かったアラン・ホワイトが地味ながら真っ当な英国ロックだったのに対し、スティーヴ・ハウが相当趣味的な内容なのがおもしろい。そしてバンドの顔、ジョンアンダーソンとクリス・スクワイアは、イエスの音楽を発展させたような音を出し、プログレファンを安心させました。
「Fish Out Of Water」というタイトルのスクワイアのソロは、元イエスのビル・ブルッフォード(ds)、当時イエスのパトリック・モラーツ(kb)、元クリムゾンのメル・コリンズ(sax)、キャラヴァンのジミー・ヘイスティング(fl)らプログレ界の有名どころが参加しています。ただ11分、15分の曲があって、長い曲苦手の僕としてはそれらは確かにあまり聞かないなあ。
昔も今も一番好きなのは、なんとも英国的なarrの"You By My Side"で、曇り空とミルクティーが似合うようなイメージ。ヘイスティングのfluteのソロもリリカルだ。僕がスクワイアにポール・マッカートニーを重ねてしまうのはこんな瞬間。このバンドはel-gがいないので、lead-bassとも言えるbassのソロが多い。
"Hold Out Your Hand"は、バリー・ローズの弾く教会orgが印象的。もう1つモラーツのel-pと重いリズム、コリンズのsaxがなかなか素晴らしい"Lucky Seven"も名演。この曲を初めて聞いたのはご多分にもれず「ヤング・ジョッキー」でしたが、ジャジーな演奏にシビレました。