■Buffalo Springfield Box1

Box Set

Box Set

もう10年前になるのですねえ。バッファローのボックスは出てすぐ買ったのですが、内容に満足できなくてすぐに売ってしまいました。あれから9年、なじみの中古屋で転がってるのをサルヴェージ。バッファローは66年から68年までの短い間にたった3枚のLPしか残せなかったLAのバンドですが、後にCSN&Y、ポコといった70'sのLAを代表するロックバンドを輩出した非常に重要なバンドです。4枚組の箱は、最後の4枚目が1stのモノと2ndのステレオをそのままぶち込んだ構成(つまりこの4枚目は全くの余分なわけ)が監修のニール・ヤングのクレイジーな気質を表わしていて、僕としては全く納得いかなくて処分してしまったのです。要は3枚組で十分。
さて1枚目はデビュー盤に先立つお披露目的なデモ音源が11曲、そして正規に採用されたファースト(12曲)から11曲にあと2曲のセッションが収められています。
最初の11曲は作者によるシンプルな弾き語りで、結局はボツになってしまった曲も含んでいます。今聞くとこれらが妙に感じるのです。ヤングが4曲、スティルスが5曲、フューレイが2曲を提供。セカンドに採用される"Sad Memory"もあれば、スティルスヴァン・ダイク・パークスの共作と言う"Hello I've Returned"、ファーストのファーストプレスにのみ収められた"Baby Don't Scold Me"、スティルス作ながらフューレイ色が濃い"We'll See"(イントロのgはTYAの"I'd Love To Change The World"に引用)、ヤングらしくない"I'm Your Kind Of Guy"など結構面白いです。
Buffalo Springfield

Buffalo Springfield

次がファーストの採用テイク(mono)の11曲。ヤングが書きながらvoに自信がないという理由でフューレイが歌った"Nowadays Clancy Can't Even Sing"、"Do I Have To Come Right Out And Say It"、"Flying On The Ground Is Wrong"の3曲は先のデモではヤングがvoでした。このファーストは個人的にはセカンド以上に好きな1枚で、ビートルズに影響を受けたアメリカのビート・バンドがフォークロック的な展開を見せた傑作のひとつです。特にスティルスの書いたナンバーがいいです。エヴァリー兄弟のようにvoスタイルをスティルスとフューレイで完成させていますが、gが追いかける"Go And Say Goodbye"はこの典型。ノイジーでガレージ的な"Leave"では、バンドのエキサイティングなステージの一辺が伝えられます。"Hot Dusty Roads"と"Everybody's Wrong"はフォーク・ロック的な甘さがミックスされた佳曲。"Pay The Price"は後のスティルスのソロにも通じる豪快なものです。