■Buffalo Springfield Box2

Box Set

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昨日の続き。66年の8〜9月にかけてファーストのレコーディングは完了し、12月にAtcoより「Buffalo Springfield」としてリリースされますが、9月のレコーディング時に後の"Broken Arrow"となった"Down Down Down"の初期テイク、完成度はありながらボツとなった"Neighbor Don't Worry"のバンドセッション(スティルスが98年にリミックした自信作)が箱の1枚目に入っていました。その残りが2枚目の前半に収録。オクラ入りした2曲のインスト〜"Kahuna Sunset"と"Buffalo Stomp"(前者はMFQのサイラス・ファーヤー(perc)が参加のユーモラスなもの、後者はモビー・グレイプのスキップ・スペンス(kazoo)が加わったノイジー&サイケなもの)、"Down〜"のより完成されたテイク、そしてファースト・プレスのみでカットされてしまった"Baby Don't Scold Me"の別テイク。
12月録音の"For What Its Worth"は、12月5日のLAのサンセット・ストリップでの暴動を歌にしたトピカルなもので67年にシングルとしてリリースし、ヒットを記録すると先の"Baby Don't Scold Me"と差し替えてセカンド・プレスからファーストに収録されています。
67年に入ると"Mr.Soul"の別テイク、"We'll See"のより完成されたヴァージョン、そしてポコとして後にリリースされる"My Kind Of Love"が登場。この3曲はどれもかなり完成度が高い内容です。ただブルース・パーマー(b)のドラッグ問題でパーマーが国外退去のトラブルがあり、元BS&Tで以前にもパーマーの代役を演じたことがあるジム・フィールダーやローディー、マネージャーの助けでライヴやTV出演を乗り切ったという話があります。ここまでprodはソニー&シェールを手掛けたチャールズ・グリーンとブライアン・ストーンでしたが、ファーストのセールスの低さから、Atlanticの社長だったアーメット・アーディガンをprodとして起用、3月に「Stampede」と予定されたセカンド用のデモ音源に取り掛かります。
*1
例によって作者によるアコースティックなデモが4曲。これらはどれも日の目を浴びることはありませんでしたが、スティルスが「Stills」で"My Angel"を、ポコがファーストで"Nobody's Fool"を取り上げています。前後しますがフルバンド及び外部ミュージシャンを加えた録音も残されており、"Pretty Girl Why"の別ヴァージョン、エリック・アイズナー(この人はハウディ・ムーンの"Nora Lee"を書いた人です)の"No Sun Today"はフィールダー参加、"Down To The Wire"は、中心の3人にマック・レベナック(p)、ボビー・ウエスト(b)、ジェシヒル(ds)という布陣。ヤングの「Decade」のものとはまた別です。

*1:この「Stampede」はジャケットまで存在しかつてはオクラ入りした未発表作品集という評価がマニアの中でありましたが、現在では「Again」に移行するまでのタイトルということで落ち着いているようです。ちなみにパーマーがドラッグ問題で脱退(その旨は公式にアナウンスされていませんでした)しており、顔を伏せているのはロード・マネージャーのデッキー・ディヴィスとのこと