■High On The Hog:Black Oak Arkansas

High on the Hog

High on the Hog

ブラック・オーク・アーカンソーを語る時には「粗野な」という形容詞は欠かせないでしょう。Knowbody Elseを母体とした南部はアーカンソー出身のサザン・ロック〜ブギバンドでオールマンズやレーナードなんかに比べれば不当に低い評価ですが、それはジム・ダンディ・マングラムのダーティーなルックスと粗野なイメージに負うところも多いですし、ブルーズからのストレートな影響を前面に出していないというのもあるかもしれません。73年の「High On The Hog」(Atco)は5枚目に当たるもので、マングラム(vo)、ハーヴィー・ジェット(g)、スタンレー・ナイト(g)、リック・レイノルズ(g)、パット・ドーティー(b)、トミー・オルドリッジ(ds)がメンバー。ここからシングルになった"Jim Dandy"(#25)は、ラヴァーン・ベイカーのカヴァーで、オリジナルは未聴ですが、ブギスタイルに見事なチェンジさせています。ここでの聞き物は後に、オジー・オズボーン&ブリザード・オブ・オズ、ホワイトスネイクなどヘヴィ・メタルのメインストリームに参戦するオルドリッジのタイトなdsと3本のgの絡む様式美で、ある種ゼッペリンもしくはウィッシュボーン・アッシュ的な美しさがあります。ここでの金切り声を上げる女性voは後にグレイ・ゴーストを率いてデビューするルビー・スターです。さてベストトラックはこの曲で決まりですが、ルーズなブギの"Swimmin' Quicksand"や"Happy Hooker"、カントリー・ロック的な"Back To The Land"も印象的です。prodはトム・ダウドでマイアミのクライテリアとハリウッドのウォーリー・ハイダー録音。手持ちはRhinoからの95年リマスター。

74年のカリフォルニア・ジャムから。見た目でひいてしまうのですよ… ルビー・スターのメイクやファッションは、昔のスケバンみたい。