何故このジャケか?〜ストリートウォーカーズ

■First Cut:Chapman & Whitney

First Cut

First Cut

どうしてこういうジャケットなのかなあ…ネット始めた頃Coloursというサイトをされてたtoshiさんに聞かせてもらった事がある、チャップマン&ホイットニー(というよりはストリートウォーカーズ)のファーストの念願のCD化。
 これがオリジナルジャケ
ファミリー解散後、ロジャー・チャップマンとチャーリー・ホイットニーが作り上げた74年作は「Streetwalkers」というタイトルでそのまま彼らのバンド名となったわけですが*1、ここではイアン・ウォーレス、マイケル・ジャイルス(ds)、ジョン・ウェットン(b)、ボズ・バレル(vo)、メル・コリンズ(sax,fl.cl)の歴代クリムゾンのメンバー、ポリ・パーマー(perc)、リック・グレッチ(b)、ジム・クリーガン(vo)のファミリー勢、更にグリース・バンドのニール・ハバード(g)、ハミングバードのマックス・ミドルトン(kb)、ヴェネガー・ジョーのティム・ヒンクレイ(kb)、オブリヴィオン・エクスプレスのゴドフライ・マクリーン(perc)(リンダ・ルイス(vo)ら錚々たるメンツが参加しています。
聴き手を選ぶというか英ロックのリトマス試験紙と言われたアクの強いチャップマンのvoになじめるかが決め手ですが、チャップマンにトライし始めた20年くらい前に比べると遥かに順応しています。"Hangman"はホイットニーの弾くsteelとstringsが、チャップマンのvoと有機的に反応して独特の世界を作っています。ディキシー風の"Roxianna"に続いて"Sue & Betty Jean"はリンダ・ルイス*2的な世界で、メル・コリンズの弾くclarinetも効果をあげています。美しい"Call Ya"はベストトラックでしょうか?コリンズのsaxソロもあります。うっすらとファンクの影も。"Creature Feature"ではしっかりリンダ・ルイスの声も聞けます。そして"Systematic Stealth"では再びレイドバックしたパラダイス風のナンバーで、ルイスの世界になるのです。一般的にsteel-gというとカントリー・ロック的なpedal-steelやジューシー・ルーシーのグレン・キャンベルがクレジットされるように泥くさいslideを思い浮かべるのですが、ホイットニーの場合はどちらでもなく少し違うニュアンス。

*1:ストリートウォーカーズには同名のタイトルのLPがないので区別はつきますが、「Downtown Flyers」の米盤は「Streetwalkers」なので紛らわしい

*2:ファミリーの設立したレーベルRaftからもLPを出しています