三面怪獣ダダ


■Dada
ダダは、9人組R&B〜ジャズ・ロック・バンドで、60's初期からガール・シンガーとして活動していた(信じられませんが)エルキー・ブルックス、ポール・コーダ、ジミー・チェインバーズの3人のvoをフロントにピート・ゲイジ(g,b)、ドン・シン(kb.b)、マーティン・ハリーマン(ds)に3人のhornsというスタイル。英国版アイク&ティナ・ターナーというか、デラニー&ボニーというか、ロックよりもR&B、ゴスペル、ブルーズからの影響が強いです。それでもイギリスらしくサザン・ソウルっぽいというよりはノーザンからの影響もあります("Seed Of Peace"のクールな感じはゴスペル風に体裁ですが、僕には北っぽい)。ストーンズのカヴァー"The Last Time"がかなりの変化球ですし、ドン・シンの教会風organインストに続く"Tonight Is"のユーモラスな感じ、トニー・ジョー・ホワイトのカヴァー"Aspen Colorado"の浮遊感などは、本来暑苦しいはずなんですが、あまりそうは感じさせません。
レコーディングはOlympic Studio。70年にAtcoからリリースされました。71年にエルクとゲイジ以外のメンバーが入れ替えられ、ヴィネガー・ジョーへと移行します。

手持ちのCDは独Line傘下のLineaからのもの。LECD9.01014O−D
おまけ

ダダとは、ダダイスムから取られています。

ダダイスムとは10年代、第1次大戦後に起こった芸術思想・芸術運動のことで、大戦に対する抵抗やそれによってもたらされた虚無を根底に持っており、既成の秩序や常識に対する、否定、攻撃、破壊といった思想を大きな特徴とする。

とか。何だかよくわからないですが。で、ウルトラマンのダダもここから取られています。