10099★★あした('95日本)
- 出版社/メーカー: パイオニアLDC
- 発売日: 2001/07/25
- メディア: DVD
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出演:高橋かおり、林泰文、植木等、朱門みず穂、村田雄浩、多岐川裕美、椎名ルミ、宝生舞
大林宣彦の作品って今の若い人はどんな風にとらえてるんでしょう。80'sはアイドル映画を撮ってたし、尾道三部作、新三部作もあったので親近感はありました。けど近年の作品は、ヴェテラン監督の晩年にありがちな自分の世界の過剰な追及という感じでついてゆけません。その傾向が始まったのは95年の「あした」あたりからではないかと思います。僕は人気(ひとけ)のない池袋の映画館で公開時に見てるのですが、事故で亡くなった死者たちが、愛する人たちのもとに数時間のみ戻ってくる、というフランク・キャプラっぽいテーマ(原作は赤川次郎)は確かに泣かせます。ただメリハリのない音楽(垂れ流しにふさわしい)の使い方、群像劇として詰め込み過ぎの展開、細かいカット割りなど、鼻につく部分もずいぶんあった事を久しぶりに見て思い出しました。例によって入江若葉、根岸季衣、峰岸徹、小林かおり、岸部一徳、尾美としのり、中江友里ら大林組が脇役としてしっかり固めていて形にはなっています。微乳という言葉が当時なかったですが、高橋かおりのヌード(いささか唐突で、潮騒のシーンに至るまでの心のシーンが書かれてません)もうれしい期待(スキャンダルで失脚するまで若手演技派の先鋒で下)です。
一人だけぽつんとさびしそうな朱門(なんとナイロンの大倉夫人)が原田知世演じる「あたし」と出会うというサプライズもうれしかったです。後半泣かせるシーンはあるのですが、全体に混乱気味。その混乱ぶりは「SADA」でもっと明らかになるのです。