Invitation to Cry

Invitation to Cry

■An Invitation To Cry:The Magicians
ゲイリー・ボナー=アラン・ゴードンのコンビはタートルズの"Happy Together"、ラヴィン・スプーンフルの"Me About You"などを書いていますが、アラン・ジェイク・ジェイコブズ、ジョン・タウンリーと組んでいたのがマジシャンズです。「Nuggets」に収録されて知られるようになった"An Invitation To Cry"はダーティなムードのフォークロックです。結局アルバムを残すことなく解散してしまったグループですが、65年から66年にかけてColumbiaに残した4枚のシングルに、未発表曲を加えたものが、Sundazedから99年に出た本作です。陽性のメロディーを持ったカラッとしたフォークロックというよりは憂いを帯びたやや暗めのメロディーで万人に受けるかと言われるとちょっと困りますけど、きらりと光るメロディーではあります。
何と言っても"An Invitation To Cry"のB面で、ジョン・セバスチャン風のharmonicaの入った"Rain Don't Fall On Me No More"が素晴らしいです。ある種パワーポップな"Angels On The Corner"、繊細な"I'll Tell The World About You"もいいです。未発表曲では、ボ・ディドリーの"Who Do You Love"、ウィリー・ディクソンの"Back Door Man"などブルーズに挑戦したものがらしくないてある意味新鮮かも。"I Won't Be Here Tommorow"はデモにしておくには惜しすぎる。