しめった土の香り

Steve Winwood

Steve Winwood

Steve Winwood
スティーヴ・ウィンウッドトラフィック解散後初めてリリースしたソロがこの「Steve Winwood」('77)です。ちょうどこういった音楽に逆風が吹き始めた頃ですが、そんな逆境をモノともせずにシングルヒットなしでも好調なセールスを記録しました(#22)。収められているのは6曲でほとんどがベイシング・ストリート・スタジオで録音されたもの。リズムセクションウィリー・ウィークス(b)とアンディ・ニューマーク(ds)のコンビ*1にまかせウィンウッドがkbとgを演奏するパターンの曲が大半で、曲によってはリーバップ(perc)、ジム・キャパルディ(perc,vo)が加わったりします。どれもトラフィック時代のレパートリーと同じく米南部ソウルと黒人音楽と英フォークを程よく消化したオリジナリティあふれるものです。一番好きなのは、ウェイラーズのジュニア・マーヴィン(g〜ハンソンの名前でManticireからソロを出した事もあります)、ココモのアラン・スペナー(b)とジョン・サスウェル(ds)が参加した"Vacant Chair"ですが、切り込まれる鋭いgとファンキーなclavinetの入った"Time Is Running Out"も、複雑なリズムの"Luck's In"も魅力です。

*1:ロン・ウッドが起用して有名になったリズム隊でジョー・ウォルシュのライヴにも起用されています。ウィークスはその後ドゥービー・ブラザーズへ、ニューマークはロキシー・ミュージックへ参加