オザケン的なヤング・ソウル

ゴーイング・ホーム

ゴーイング・ホーム

■Going Home:Georgie Fame
ジョージー・フェイムの名前を知ったのはピーター(バラカン)の放送でよくかかってた"Yeh Yeh"('65)でした。確かマット・ビアンコのカヴァーがヒットしてた頃なんで80's半ばか。現在のように再評価されていない時期なので、ロックというにはジャジー過ぎるし、ブルー・アイド・ソウルという何だかわかったような言葉では心もとない感じでした。90'sに入って元スティーヴ・ミラー・バンド(とあえてつけてしまいますが)のベン・シドランのGo JazzレーベルのGo Jazz All Starsの一員として来日。渋谷のクアトロで見てます。「Cool Cat Blues」('91)というCDは高校時代の友人K太に借りました。それでも正直ピンとこなかった(ハモンド弾く姿が見れたのがよかったけど)。本格的にフェイムが再評価されたのは、やはり渋谷系の波が来てからですね。
「Going Home」('71)は日本では何度もCD化されてる人気盤で、ライナーのサバ―ビアの橋本氏がスタイル・カウンシルなどの80's型ブルー・アイド・ソウルとの関連を書かれてますが、それらに影響された次世代の渋谷系〜たとえばオリジナル・ラヴだったり小沢健二だったり〜のルーツ的な感じもします。ただ参加ミュージシャンのクレジットがない事(71年なのに)から、フェイム自身が匿名的なものにしたかったのかなと憶測する事も出来ます。ケニー・ランキンの"Peaceful"、テディ・ランダッツォの"Happiness"、クラシックス4の"Stormy"などすべて60's以前のカヴァー曲で、匿名的な女性コーラス(素晴らしいのです)も軽やかな演奏も心地いいです。