#14星船其の二

地球への愛にあふれて(紙ジャケット仕様)

地球への愛にあふれて(紙ジャケット仕様)

■Earth:Jefferson Starship
三頭時代のJSの個人的な最高傑作が4枚目の「Earth」('78)です。メンバーはポール・カントナー(g,vo)、グレイス・スリック(vo,p)、マーティ・バリン(vo)、デイヴィッド・フライバーグ(kb,b)、クレイグ・チャキーソ(g)、ピート・シアーズ(b,kb)、ジョニー・バーベイタ(ds)の7人。とてもまろやかなkb主体のロックな分、一歩間違えればAOR的な展開になりそうですが、それをギリギリのところで救っているのは、やはり3人の出たり入ったりするコーラスだったりします。前作でも参加していたジェシ・バリッシュが書いた"Count On Me"がヒット。これやN・Q・デューイー(これは誰かの変名でしたっけ?)作の"Runaway"など適度にポップで、広がりのありゆったりとしたナンバーが魅力。もちろんオリジナルの"Take Your Time"や"Love Too Good"も素晴らしいです。


ですが、79年には、グレイスのドラッグ問題、マーティのソロ・デビュー、バーベイタの自動車事故で、ガラッとメンバーが交代。エルヴィン・ビショップ・グループ出身のミッキー・トーマス(vo)、更に英国人ヴェテランds、エインズレー・ダンバーが参加。"Jane"(#10)のヒットもあり新体制の「Freedom At Point Zero」は大ヒット。それまでのゆるやかなシスコ・サウンドなJSから、ソリッドなハードロックバンドへのイメージチェンジに成功しました。

この路線で4枚、84年の「Nuclear Furniture」まで活動。82年の「Winds Of Change」ではグレイスが復帰しましたが、ジャーニー、Y&Tなど80's型ベイ・エリア・サウンドと肩を並べる、堂々とした80'sロックです。僕は全く好きではないですが。85年にはジェファーソンの文字を取り、スターシップとして"We Built City"と"Sera"を#1にする全米的なバンドになりましたが、これまた別のバンドの様。すでにカントナーは去り、自作曲はないというのがすごい。89年の3枚目ではグレイスも去り(JAの再結成へ)、トーマスを中心としたバンドになっています。