#25他のシスコ勢7CMJ&ザ・フィッシュ

■Country Joe And The Fish
カントリー・ジョー・マクドナルドは、ワシントンDC出身のフォークシンガーで、65年にバークレイでザ・フィッシュを結成して*1シスコサウンドに名乗りを挙げました。67年の「Electric Music For Mind And Body」(Vanguard)は、CJM(g,vo)、バリー・"ザ・フィッシュ"・メルトン(g,vo)、デイヴィッド・コーエン(g,or)、ブルース・バーソル(b)、ゲイリー・ハ−シュ(ds)という布陣。コーエンの弾くチープなorganの金属的なトーンがたまりません。電気化したジャグ・バンド・ミュージックというのは、ある意味裏フォークロックだったのかもしれません。

Electric Music for the Mind & Body

Electric Music for the Mind & Body


CJMという人はヴェトナム反戦など社会的なメッセージとドラッグに寛容な姿勢で当時の大学生に絶大な人気を誇った人ですが、ウッドストック・フェスでの"f*ck"コールで有名になった"I-Feel-Like-I'm-Fixin'-To-Die Rag"(これをタイトルにしたのがセカンド)が特に知られています。これはシンプルなラグタイム調のフォークソングで、日本でも"受験生ブルース"にも与えた影響は大きかったかも。

初期の2枚は有名ですが、68年の3枚目「Together」以降失速します。ここにはウッドストックで歌われた、"Rock And Soul Music"も収録されています。

カントリー・ジョー&ザ・フィッシュは70年に解散し77年に再結成しています。その間、CJMは、Vanguard、Fantasyなどに精力的にアルバムをリリース。77年ローリング・ココナッツ・レヴューのメンバーとして来日しています。

メルトンは70年にダニー・ハサウェイ(p)やフィル・アップチャーチ(b)らソウル系のバックによるソロ「Barry Melton」をリリース。以後マイク・ブルームフィールドがprodしたデイ兄弟らとの72年の共演盤「Melton、Levy And the Dey Bros」(Columbia〜歯がはえた猫ジャケのイラストが強烈)、ヘルプ・ユアセルフのデイヴ・チャールズ(ds)、ケン・ホエイリー(b)、トミー・アイア(kb)参加の英国録音「The Fish」('75、UA)など一風変わったLPがあります。

Melton Levy & The Dey Brothers

Melton Levy & The Dey Brothers

デイヴ・バーソルは69年に脱退し、英国人sswのフィル・グリーンバーグとゲイリー・ピータースンとフォーマリー・ファット・ハリーというバンドを結成。英米混成バンドですが、基本線はイギリスのアメリカ的な音。dsは初期ゴングなどのローリー・アランで、これも意外。

フォーマリー・ファット・ハリー

フォーマリー・ファット・ハリー

*1:ずっとCMJとフィッシュというバンド、だと思ってたのですが、CMJ&メルトンの意味なのかな