#33その他のラテン・ロック

シスコのダウンタウンはメキシコを中心に中南米からの移民が多く集まる地域とか。よってここには強力なコミュニティが生まれ、60's後半には厳しい社会生活を強いられてきた彼らが、黒人公民権運動に影響を受け様々な社会的なメッセージを発する場所ともなりました。そしてサンタナのフォロワー的な多くのラテン〜チカーノ・ロック・バンドもこのコミュニティに強く支持されながらのデビューとなりました。
■Azteca
初期サンタナperc、コーク・エスコベードを中心としたアズテカは、72年にColumbiaから「Azteca」でデビューしています。コークの弟でシーラ・Eの父親になるピート・エスコベード(perc)もフィーチャー。人気曲"Mamita Linda"はデビュー作に収められています。フリーソウル世代にこそ再評価されただけあるメロウ・グルーヴです。

アステカ

アステカ


■Malo
カルロス・サンタナの弟、ホルヘが結成したマロは、71年にデビュー。こちらはラテン・ロックというよりももっとラテン、サルサに近い音。
Malo

Malo

"Suavecito"は甘いバラードで、僕はライノの70'sソウルのコンピで知りました。#18まで上がったヒット曲です。

マロはメンバーを変えながら、80'sまで活動しています。
■El Chicano
チカーノとは、メキシコ系アメリカ人をさす言葉ですが、そのままのバンド名のエル・チカーノは、60's末にイースト・LAから登場したサンタナのフォロワー的存在です。初期のサンタナ同様、ラテンからの影響が強く、サンタナ、マロ、アズテカに続く第4のバンドとして期待されていました。70年にKappからリリースした"Viva Tirado"は、ボビー・エスピノーサのorganとミッキー・レスプロンのgの絡みが素晴らしいインストで、メキシコの闘牛士のホセ・メラン・ティラードに捧げられたものです。#28まで上がった初ヒットです。なかなかジャジー

次のヒットはヴァン・モリソンのカヴァー"Brown Eyed Girl"('72,#45)

そして"Tell Her She's Lovely"('73,#40)