dancer#3

レイト・フォー・ザ・スカイ

■For A Dancer / Jackson Browne
かつて小倉エージさんがNMMの後ろの方のページで、「ジャクソン・ブラウンの「Late For The Sky」僕はまだA面を卒業できていない」と書かれてた事を思い出します。僕にとっては思い出深い1枚。70年代の作品では、ベストに挙げる人も多い74年の3枚目。印象的なジャケットは、マグリット風に試みたとか。前作の録音に金を使いすぎたこともあり、安いツアーバンド（デイヴィッド・リンドレー(g,fdl)、ラリー・ザック(ds〜元サヴェイジ・グレイス)、ダグ・ヘイウッド(b、vo)、ジェイ・ワインディング(kb)）を起用しての録音ですが、これがかえってまとまりを良くしてています。全曲素晴らしいのですが、特に挙げるとまず"The Late Show"。ややクサい構成ですが、ラスト近くでシヴォレーの排気音のSEを入れて、「もう一度やり直そう」と歌われるこの歌は、青くさいですけどグッときます(「哀しみをゴミ袋に入れて、明日だそう。だってゴミの日だから」なんてところも。うねりをもったリンドレーのlapsteelの素晴らしさももちろん）。ポジティヴな愛の歌といえば、"Fountains Of Sorrow"も忘れられません。じわじわと盛り上げる演奏も力があります。

"Before The Deluge"は、現代社会への警告がテーマの歌で、80年代はこのタイプが中心になるのですが、この当時はまだ珍しいです。ステージでは、スライ＆ザ・ファミリー・ストーンの"Everyday People"の一節♪We've Got To Live Together〜を盛り込んで「同時代に生きる」事を強調していました。

そして、"For A Dancer"。友人の死が歌われていることから、追悼の意味で使われる事も多いです。プリテンダーズのジェームズ・ハニーマン・スコットとピート・ファーンドン、また旧友ウォーレン・ジヴォンの死を悼んでライヴで歌われました。