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The Imperial & Minit Years

The Imperial & Minit Years

■My Love Grows Deeper And Deeper / Clydie King
クライディー・キングと言えば、70'sにLAでレコーディングされた白人ロックのアルバムにゴスペルフィールのコ-ラスを加えるバックグラウンド・シンガーとして重宝された人です。誰が呼んだか、シャーリー・マシューズ、ヴェネッタ・フィールズとならんでスワンプ三人娘(汗)。この3人はブラックベリーズと名乗りハンブル・パイのライヴやスタジオ作に参加しています(マシューズに変ってビリー・バーナムが加わった事もあったよう)。

テキサス出身で60's初めから様々なレーベルでコーラスの仕事をやっていた人ですが、レイ・チャールズのコーラス隊レイレッツを経て、フィル・スペクターのPhil-Danからリリースされたボニー&ザ・トレジャーズの一員として"Home Of The Brave"(マン=ウェイル作品)を出しています。ちなみにボニーとはシャーロット・オハラの事で、シャーリー・マシューズもトレジャーズのメンバーでした。
同じ事Imperialからスペクター風の"The Thrill Is Gone"をリリース。作者はパレードのジェリー・リオペルで、次のシングル"Missin' My Baby"もまたスペクター・タッチのウォール・オブ・サウンドでした。個人的にはドリーミーなこの頃の音が一番好きです。この"My Love Grows Deeper And Deeper"もこの路線で、深いエコーとcongaが印象的な壁の音です。
67年にMinitレーベルに移る頃には、持ち前のゴスペル・フィールの、R&Bっぽいサウンドになっています。ですので音圧のあるガール・サウンドを期待するとコケるのです。07年に出た「The Imperial & Minit Years」は65年から68年までのシングルと発掘された音源をまとめたもので、ドリーミーなものはごくわずかです。

70'sに入るとブラックベリーズ、ステッペンウルフのガブリエル・メクラーprodによる、Lizardレーベルからのソロ・シングル、更に独立して結成したブラウン・シュガーの活動と並行して、ビリー・プレストンストーンズ、ドアーズ、アメリカ、ファイアフォール、キース・ム−ン、ベット・ミドラーなどのLPに参加しています。

65年の「Shindig!」より