golden#2

EXPRESSO II

EXPRESSO II

■Golden Dilemma / Gong
本当にしつこく聞いているのがゴングの「エキスプレッソ2」です。78年のリリースで、ビクターから出た日本盤は日本コロムビアからビクターに発売権が移ってすぐの頃です。渋谷陽一の「ヤング・ジョッキー」でも新譜紹介としてOAされたのが今では驚きです。前作「Gazeuse」('76)では、voなしのジャズ・ロック・バンドへと転身したゴングですが、ディディエ・マラーブ(sax)も抜け、主導権はピエール・ムーレン(ds,perc)に移行。ムーレン弟のブノア(perc)、ミレイユ・ボーエル(perc)、ハンスフォード・ロウ(b)のリズムセクション4人がメンバーで、曲によってゲストというスタイルになっています。「Gazeuse」の米盤タイトルが「Expresso」で米クロスオーヴァー・シーンでそこそこ評価が付いたらしい事もあって、こういうタイトルになりました。元ストーンズのミック・テイラー(g)が"Heavy Tune"に、元ウルフのダリル・ウェイ(vn)が"Sleepy"と"Boring"に、アラン・ホールズワース(g)が"Sleepy","Soli","Three Blind Mice"に参加しています。
ボン・ロザガの素早くカットするgに合わせるようにブノアのvibe、ミレイユのmarimbaが乱れ打ちとなる"Golden Dilemma"は、派手なゲストこそいませんがこの特異なスタイルのジャズ・ロック・バンドの真骨頂ともいえるものです。
残念ながらkbなしのストイックなこのスタイルは本作のみで、「Downwind」ではピエール色がさらに強まり、kb、voを取る等事実上のソロ扱い。「Expresso」スタイルの曲もありますが総じて甘めです。