something#2

Wild Thing/Yurns You On

Wild Thing/Yurns You On

■Something To Remember / Fancy
マイミクのJudasさんのブログにコメント書いてる時にふと思い出したのがこのファンシーです。
そのブログはロジャー・グローヴァーの「The Butterfly Ball」に初期ジューダス・プリーストのレス・ビンクス(ds)が参加してた件。
キャット・スティーヴンスを見出したプロデューサーのマイク・ハーストが、トロッグスの"Wild Thing"を女性voでカヴァーするというアイディアを、旧知のレイ・フェンウィック(g)に依頼。フェンウィックは元スペンサー・デイヴィス・グループのメンバーで、アフター・ティーなどオランダでの営業も多い、ビジネスの才覚もあった人で、セッションマンのモ・フォスター(b〜アフィニティ、ショパン)、ヘンリー・スピネッティ(ds〜ハード、ストーリーテラー、レイジー・レイサー、クラプトン・バンド)に、ペントハウス誌のペットだったヘレン・カント(お楽しみ画像は、ここをvoにして74年に"Wild Thing"をカヴァー。イギリスでは不発でしたが、米Big Treeから出たシングルが#14まで上がるヒットとなり、思わぬ誤算からLPのレコーディングが必要となりました。

このレコーディングにあたりvoが、カントからアニー・カヴァナーに、dsがスピネッティからビンクスに代わっています。「Wild Thing」と「Turns You On」の2枚を英Atlanticから出してます。ブロンドに髭面という美女と野獣のコンセプトを打ち出した、アイディア先行のもので、グラム風、ファンク風、ディスコ風の曲もありますが、基本線はアニー嬢のvoを聞かせる匿名的なポップロックです。75年のセカンド「Turns You On」(RCA)では、モーズ・アリスンの"Everybody's Cryin' Mercy"をカヴァー。これ以外はハースト/フェンウィックのペンによるオリジナルです。"Something To Remember"は、芸能界テイストの濃いポップ・チューンで、モ・フォスターの堅実なbassプレイが印象的です。このセカンドで飛びぬけてるのは、"She's Riding The Rock Machine"でしょう。
さてフェンウィックは、SDGの同僚、エディ・ハーディン(kb,vo)と共にパープル・ファミリーの準会員みたいなもので(その会長は間違いなくトニー・アシュトンでしょう)、その絡みでビンクスがグローヴァ―のソロに参加したのでしょう。