Cher

3614 Jackson Highway

3614 Jackson Highway

■3614 Jackson Highway:Cher
00's初めにRhino Handmadeから限定リリースされた拡大ヴァージョンが高い評価を受けたシェールの69年盤が、シンプルなフォーマットでRhinoから再発されたのが08年。これがまたWounded Birdか?と思わせるそっけない作りで残念。また内容も過大評価され過ぎなんでは…
さて女性シンガーの南部詣でといえば、ダスティ・スプリングフィールドの「Dusty In Memphis」('69)、Luluの「New Routes」('70)がありますが、シェールの本作もその流れにあるもの。アラバマのマッスル・ショールズ録音でタイトルはスタジオの住所とか。ロジャー・ホーキンス(ds)、デイヴィッド・フッド(b)、ジミー・ジョンソン(g)、ベリー・ベケット(kb)、エディ・ヒントン(g)らが参加。たとえば「Dusty In Memphis」では南部のミュージシャンをバックにしながら、泥くささとは裏腹な都会的な風景を演出していたのに対し、ここではストレートな稔部的風景を映し出していて、向き合う方向が違います。よって第一印象はあれ?って感じでした。選曲もオーティス・レディングの"Dock Of The Bay"、アレサ・フランクリンの"Do Right Woman"、ボックス・トップスの"Cry Like A Baby"に交じってバッファロー・スプリングフィールドの"For What It's Worth"、ディランの3曲があってなんとなくありきたりな感じもあります。それでもディラン作の"I Threw It All Away"はまるで別曲に聞こえます。